ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

ビルボード Billboard All American Top40 1988年7月16日付 チープ・トリック Cheap Trick - The Flame

2024-07-14 20:00:00 | 1988年ビルボードTop40
1988年ビルボード Billboard All American Top40、1988年7月16日付、2週目の1位はCheap Trickの"The Flame"。Cheap Trickですが、アメリカのロックバンド。日本で人気がでてから世界で有名になったあのチープトリックが全米No.1となるとは、70年代からのロックファンの私としては、感慨深いものがありました。70年代中頃、『チープ・トリックat武道館』 が突然大ヒットし、ライブ盤からのシングル"I Want You to Want Me" が最高位7位、次のスタジオアルバムからのシングルを合わせTop40には4曲のTop40ヒット、9年ぶりにTop40に登場し、この曲で5曲目のTop40ヒットで、初のNo.1です。

2位は前週と変わらず2週目の2位、Pebblesの"Mercedes Boy"。Pebblesですが、サンフランシスコ出身の女性R&B歌手。この1988年4月にデビューアルバムから"Girlfriend"が初めてのヒットで5位を記録、続くシングルのこの曲が2位まで上がってきました。

3位も前週と変わらず、Def Leppardの"Pour Some Sugar On Me"。Def Leppardですが、イギリス出身のハードロックグループ。70年代後半にデビューし、83年には"Photograph"が最高位12位を記録、この曲で5曲目のTop40ヒットで、初のTop10ヒット、3位まで上がってきました。

4位も前週と変わらず、Inxsの"New sensation"。INXSですが、オーストラリア出身のロック・ポップグループ。1982年の"The One Thing"が最高位30位で初のTop40ヒット。続いて1985年に"What You Need"が最高位5位、3曲目のシングル"Need You Tonight"でついにNo.1を獲得、この曲で5曲目のTop40ヒットで、4曲目のTop5ヒットとなりました。

5位は8位からアップ、Richard Marxの"Hold On To The Nights"。Richard Marxですが、アメリカのシンガーソングライター。デビューアルバム『Richard Marx』からのファーストシングル"Don't mean nothing"が最高位3位を記録、デビューアルバムからは、これまで3位→3位→2位ときて、この曲で、デビューから4曲連続のTop5ヒットとなりました。

この週2週目の1位はCheap Trickの"The Flame"。1位はこの2週間、年間チャートは堂々の第14位。70年代中頃に、まずは日本で大人気となったのロックバンドCheap Trick、9年ぶりのTop40がついに初のNo.1となりました。

 Cheap Trickですが、1974年にアメリカイリノイ州で結成、メンバーはボーカル・ギターのロビン・ザンダー、ギターのリック・ニールセンなど4人組ロックグループ。

1977年、ファーストアルバム『Cheap Trick』を発表するも、全くヒットしませんでしたが、セカンドアルバム『In Color』、邦題『蒼ざめたハイウェイ』 が、母国アメリカでは空振りだったものの、日本でまさかの大ヒットアルバムとなります。

1978年には「武道館」で初の日本公演を開催、熱狂的なステージとなったこのコンサートを収録したライヴ・アルバム『チープ・トリックat武道館』を、当初は日本でのみの限定企画発売でしたが、本国アメリカで、日本からの逆輸入盤が売れ出し、翌年の1979年にはアメリカでもリリースされ、アルバムチャートは最高位4位を記録、このアルバムからシングルカットされた「甘い罠 (I Want You To Want Me)」は、最高位7位ながら、年間チャート34位の初の大ヒット・シングルとなりました。こちらをご覧ください→→→

続いて1979年にリリースされた4枚目のスタジオアルバム『Dream Police』から、2曲のTop40シングルがでましたが、80年代になってから、継続的にアルバムをリリースするものの、Top40ヒットは途絶えてしまいます。大ヒットした映画『Top Gun 』にも、"Mighty Wings" が提供されましたが、ヒットには至りませんでした。この曲、ヒット性が高い曲だったのですが、Hot100に入ることもなく残念でした。

そして1988年にリリースされた彼ら10枚目のアルバム『Lap of Luxury』邦題『永遠の愛の炎』で、ついにカムバックを果たします。

このアルバムからのファーストシングルカットがこの曲"The Flame"、突然チャートを駆け上がり、ついに初のNo.1シングルとなりました。

"The Flame"の曲の作者はいずれもソングライターのBob MitchellとNick Grahamの共作。それまでのCheap Trickの曲は、ほどんどがメンバーの作によるものでしたが、外部のソングライターの起用で、復活の大ヒットにつながりました。

"The Flame"ですが、Robin Zanderのボーカルによるパワーバラード。Rick Nielsenのアコースティックギター、泣きのリードギターも合わさって、素晴らしい曲になりました。


今週    先週    song    /    artist
1 1 THE FLAME / CHEAP TRICK
2 2 MERCEDES BOY / PEBBLES
3 3 POUR SOME SUGAR ON ME / DEF LEPPARD
4 4 NEW SENSATION / INXS
5 8 HOLD ON TO THE NIGHTS / RICHARD MARX
6 12 ROLL WITH IT / STEVE WINWOOD
7 10 NITE AND DAY / AL B. SURE!
8 14 HANDS TO HEAVEN / BREATHE
9 16 MAKE ME LOSE CONTROL / ERIC CARMEN
10 6 NOTHIN' BUT A GOOD TIME / POISON
11 15 RUSH HOUR / JANE WIEDLIN
12 13 LOST IN YOU / ROD STEWART
13 7 FOOLISH BEAT / DEBBIE GIBSON
14 17 SIGN YOUR NAME / TERENCE TRENT D'ARBY
15 5 DIRTY DIANA / MICHAEL JACKSON
16 9 THE VALLEY ROAD / BRUCE HORNSBY & THE RANGE
17 21 PARENTS JUST DON'T UNDERSTAND / D.J. JAZZY JEFF & THE FRESH PRINCE
18 22 PARADISE / SADE
19 24 1-2-3 / GLORIA ESTEFAN & MIAMI SOUND MACHINE
20 11 MAKE IT REAL / JETS
21 27 I DON'T WANNA GO ON WITH YOU LIKE THAT / ELTON JOHN
22 25 JUST GOT PAID / JOHNNY KEMP
23 31 I DON'T WANNA LIVE WITHOUT YOUR LOVE / CHICAGO
24 28 DO YOU LOVE ME / CONTOURS
25 29 THE COLOUR OF LOVE / BILLY OCEAN
26 18 I STILL BELIEVE / BRENDA K. STARR
27 34 LOVE CHANGES / CLIMIE FISHER
28 33 I SHOULD BE SO LUCKY / KYLIE MINOGUE
29 36 THE TWIST / THE FAT BOYS
30 19 TOGETHER FOREVER / RICK ASTLEY
31 23 BEDS ARE BURNING / MIDNIGHT OIL
32 20 KISS ME DEADLY / LITA FORD
33 38 RAG DOLL / AEROSMITH
34 26 TALL COOL ONE / ROBERT PLANT
35 40 LOVE WILL SAVE THE DAY / WHITNEY HOUSTON
36 42 MONKEY / GEORGE MICHAEL
37 43 FAST CAR / TRACY CHAPMAN
38 32 ONE MORE TRY / GEORGE MICHAEL
39 35 TROUBLE / NIA PEEPLES
40 46 SIMPLY IRRESISTIBLE / ROBERT PALMER

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34 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
2度目のビックリ (hannah)
2024-07-14 21:30:08
星船さん、こんばんは。
太ンさんと僕の予想通り、Cheap Trickの登場ありがとうござます。
それにしても、Cheap Trickのヒットはいつも突然で驚かされますね。
日本ではそこそこ知名度があったもののアメリカではさっぱりの79年に突然の♪At Budokan♪の大ヒット。
同じ年の♪Dream Police♪もヒットし、これでアメリカでも人気定着かと思いましたが、その後9年のブランクとなりました。
今回は2度目のビックリですが、ロッカバラード系の素晴らしい曲です。
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Unknown (音時)
2024-07-14 23:06:01
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/12506681.html
The Flame”って言葉、タイトルは「炎」であり「恋人」という意味も持ちます。邦題でも「炎」をいただいたんですね。歌詞の内容はナヨナヨしいく、赤面しそうなものではありますが、“I will be the flame”というフレーズは深みがあるなあと思います。
あと、
Touching me freezing on my skin,
I pretend you still own me.という歌詞。
寒い時は彼女が「寒いね~」と手をこすってくれたりしたのでしょうか。そのとき(彼女と付き合ってた=You own me)のように今は凍えた肌を自分で温めるのです…(涙)
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Unknown (太ったボンジョビ (。-∀-))
2024-07-15 00:59:23
うふふふバナさん、私ゃ⭐⛴️さんにスカされるんじゃないかとも思ってましたけど、今はホッとしております。いやここで二位の曲なら私はアゲアゲなんですけどね、そちらが残念であります。来週は落ちちゃいますよね😢
さてこの曲なんですが、8インチCDは買ったし、年間テープだとA面ラストに配置もしました(B面ラストはガンズ☺️)。
Phパブではウケが良いので割と頻繁にヤってたんですけど………飽きちゃいましてね、今は相棒の愛のテーマとして持っていかれました。彼はブライアンのヘボンまで盗っていきました、まあ私には不要なんスけども。
やっぱりフレイム、長いなあ。この頃からシングル5分てーのが増えましたよね?
そして外部ソングライターでしたか。そこら辺も「なんか違うよなあ」な感じが…。ネガでごめんなさい😫。次からはアグレッシブにチプトリ、書いていきたいです😫
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日本発の大人気ロックバンド (星船)
2024-07-15 07:30:56
hannahさんおはようございます。
9年ぶりの突然のヒットには、驚かされましたね。
この曲のNo.1は、1988年のチャートで最もうれしかった出来事でした。この年の一番好きな曲か、というとそうでもないかもしれませんが、70年代の日本発の大人気ロックバンドの復活は、チャート追っかけしていてよかったなぁ、と思った時でした。
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外部のソングライターの起用 (星船)
2024-07-15 07:36:53
音時さんおはようございます。
歌詞はここまで書くか、というほどのラブソングでしたが、そこはラブバラード、曲にはピッタリではありました。外部のソングライターの起用での初のNo.1というのは、コアなファンにとって納得できないかもしれませんが、チャートファンにとってはうれしい出来事でした。外部ソングライターにしか書けない、No.1になるべくした名バラードでしょう。
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大成功 (星船)
2024-07-15 07:40:23
太ったボンジョビさんおはようございます。
この曲は、歌うと気持ちよさそうですね。
そんな曲は、やっぱり外部ソングライターを起用してこそ出来上がった曲でしょう。この曲がなければ、復活もなかったかもしれませんので、それは大成功だったのでしょう。
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Unknown (太ったボンジョビ ~(´∀`~))
2024-07-15 07:56:27
これはおっしゃる通り。私は曲はともかくチープトリックが6年ぶりに売れた、そして望外のNo.1❗そこが私も「嬉しかった」ですよ~😆
ちなみに2ちゃんねる時代の「1982」の洋楽スレに
「話題にならなかったホットスペースとグッドトラブル」と書いてみたら
「その2枚とチープトリックのワンオンワンが82年のトップ3なんだけど…」と返ってきて、何という不憫なお方、と勝手に優越感に浸りました、ごめんなさい😫
でもあの夏、シングルの「永遠(また?)のラブソング」は意外に好きな人多かったのでは?
私も「落ちていきそうなチープトリック、落ちるの確定なブロンディ、落ちたなカンザス…」という寂しさがありましたが、永遠のラブソングはその寂しい感じにジーンシモンズしておりますたなあ😫
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Unknown (太ったボンジョビ 80秋(  ´-ω-))
2024-07-15 09:18:16
そしてその一つ前、有頂天からの失墜を思わされたのがLPの「オールシュックアップ」⤵️
ストンズ、クイーン、ダイアナ、南の人、ホールドアウトなどなどと同時期に殴り込んできたチープトリック、しかしそこは空振り…このLP、ノッていた時だっただけに痛かったと思います。
でもそのもどかしさとやかましさが全開の「ストップジスゲーム」これは大好き😛
当時初心者🔰の私、夏のミニアルバムも割に良かったみたいで、売れるシステム知らないながらも「イケてるときには押せ押せって感じだな、パワフルな曲でこれも良いぞ」とロビンさんのボーカルに感動していました、んてすけどね😢
イントロ余計だったか❗iPod、ドラムの入るところからにエディットしております、ニールセンごめんなさい😫
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ビートルズっぽい? (星船)
2024-07-15 17:29:26
太ったボンジョビ さんこんばんは。
『オールシュックアップ』がですねー、録音はしたのですが、あんまり聞かなくなってしまったなぁ。シングルヒットでなかったですよね。日本ではまだよく話題にはなっていましたが。で、次の『One on One』は、録音もしていなかったかなぁ。
「永遠のラブソング」っていうのは、その『One on One』に入っていた曲だったでしょうか。邦題を知らないのですが、"If You Want My Love"がその邦題の曲でしょうか。この曲は覚えていますよ。ビートルズっぽい曲でした。その後、しばらく、日本でもチープトリックの曲は流れなくなってしまいました。トップ・ガンの"Mighty Wings"は期待していたのですが、それも空振りで、そんな時についに"The Flame"での復活、やっぱり外部ソングライターの起用が当たったのでしょう。
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Unknown (かんた)
2024-07-15 20:05:20
ロビン・ザンダーの声って、飛鳥涼に似てませんか?
これ、「確かに似ている」と納得してくれる方が3割、他の7割は「どこがやねん」が私の予想です。

それはともかく、日本から人気が出たバンドといえば、その代表格はボン・ジョヴィで、その次がクイーンでしょうか。
どちらもミーハーなファンがその火付け役となったのですが、チープ・トリックの場合はどうなんでしょう?
ちなみに、ほとんど日本でしか人気がなかったMr.ビッグのエリック・マーティンは、伊藤政則さんの番組のインタビューで、「日本のファンはとにかく耳が良い」と言っていた記憶があります。
意外と日本から人気が出たアーティストって、侮れないかもしれません。
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