ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

ビルボード Billboard All American Top40 1988年12月17日付 シカゴ Chicago - Look Away

2024-12-15 20:00:00 | 1988年ビルボードTop40
1988年ビルボード Billboard All American Top40、1988年12月17日付、この年もこの週を含めあと2週間、1位を除いて総入れ替えの変動が激しいTop5でした。そんな中での2週目の1位はChicagoの"Look Away"。Chicagoですが、もちろん皆さんご存知、60年代にデビューしたアメリカを代表するロックバンド。この曲がなんと32曲目のTop40ヒットで、12曲目のTop5ヒット、8曲目のTop3ヒット、"If You Leave Me Now"、"Hard to Say I'm Sorry"に続く3曲目のNo.1となりました。

6位から上がって2位はPoisonの"Every Rose Has Its Thorn"。Poisonですが、アメリカペンシルベニア州出身のグラムメタルバンド。グラムメタルバンドとしては異例の大人気バンドで、初のTop40ヒット"Talk Dirty to Me" が最高位9位、この曲が5曲目のTop40ヒットで、3曲目のTop10ヒット、これまででは最高の2位まで上がってきました。

3位は5位からアップ、Anita Bakerの"Giving You The Best That I Got"。Anita Bakerですがアメリカオハイオ州出身のR&B歌手。初のTop40シングル"Sweet Love"が最高位8位、この曲で3曲目のTop40ヒットで、初のTop3ヒットとなりました。

4位は8位からアップ、Bobby Brownの"My Prerogative"。Bobby Brownですが、アメリカマサチューセッツ州出身のポップ、R&B歌手。1983年ニュー・エディションの一員としてデビュー、1986年にグループを脱退してソロ歌手に、ソロ2枚目のアルバムでブレイクし、初のシングルヒット"Don't Be Cruel" が最高位8位、この曲が2曲目のヒットで、初のTop5入りです。

5位は7位からアップ、Boy Meets Girlの"Waiting for a Star to Fall"。Boy Meets Girlは、アメリカワシントン州出身の男女二人組のポップスデュオ。ファーストアルバムから、"Oh Girl" が最高位39位。セカンドアルバムからのシングルのこの曲が2曲目のTop40ヒットとなり、5位まで上がってきました。

今週取り上げるのはこの曲しかないでしょう、Chicagoの"Look Away"。12月10日と17日の2週間の1位。1976年の"If You Leave Me Now"、1982年の"Hard to Say I'm Sorry"に続く3曲目のNo.1ヒットで、1989年の年間No.1に輝きました。

Chicagoですが、もちろんみなさんご存じ、デビューは1960年代にまでさかのぼり、アメリカシカゴで結成された、ロックにブラス・セクションを取り入れたブラスロックバンド。 全米Top40には、1970年のセカンドアルバムからのシングル"Make Me Smile" が最高位9位の初のヒットシングルで、初のTop10入り、続くシングルが名曲「長い夜」"25 or 6 to 4"、最高位4位の初のTop5ヒットになりました。

その後も、"Saturday in the Park" が最高位3位、"Old Days"が最高位5位など、ヒットを積み重ねますが、バンドに大きな転機が訪れたのが1976年の彼ら10枚目のアルバム『Chicago X カリブの旋風』。

このアルバムからのセカンドシングル"If You Leave Me Now"「愛ある別れ」が初のNo.1を記録しますが、この曲がPeter Ceteraのボーカルによるロックバラード。この曲以降、特にAORロックバラード路線でさらなる大ヒットを連発、2曲目のNo.1ヒット"Hard to Say I'm Sorry"も、そのPeter Ceteraによるロックバラードです。

そのPeter Ceteraが『Chicago 17』を最後にバンドを脱退、Chicagoどうなる、と心配しましたが、新しく加入したJason Scheffと、Bill Champlinの2枚ボーカルで作成された『Chicago 18』からは、"Will You Still Love Me?"が最高位3位を記録するヒットとなりメンバーチェンジもうまく乗り越えました。

1988年にリリースされた続くアルバム『Chicago 19』、このアルバムからは、まずは、ロック色の強い"I Don't Wanna Live Without Your Love"が最高位3位のヒットとなりました。こちらをご覧ください→→→

続くセカンドシングルがこの曲"Look Away"。曲の作者は"I Don't Wanna Live Without Your Love" の共作者のDiane Warren。プロデューサーはRon Nevison。Ron Nevisonですが、 HeartのNo.1ヒット"These Dreams"と"Alone." のプロデューサーです。

この"Look Away"ですが、ブラス・セクションは全く入ってませんし、Peter Ceteraの高音のボーカルによるAORロックバラード路線とも全く違う、第三のシカゴを象徴する曲でした。古くからのシカゴファンや、80年代前半のシカゴファンには違和感があるかもしれませんが、外部ソングライターの起用プラス、Bill Champlinの力強いボーカルによる新しいシカゴの名曲でした。

今週    先週    song    /    artist
1 1 LOOK AWAY / CHICAGO
2 6 EVERY ROSE HAS ITS THORN / POISON
3 5 GIVING YOU THE BEST THAT I GOT / ANITA BAKER
4 8 MY PREROGATIVE / BOBBY BROWN
5 7 WAITING FOR A STAR TO FALL / BOY MEETS GIRL
6 2 BABY, I LOVE YOUR WAY/FREEBIRD MEDLEY / WILL TO POWER
7 4 I DON'T WANT YOUR LOVE / DURAN DURAN
8 3 HOW CAN I FALL? / BREATHE
9 9 WELCOME TO THE JUNGLE / GUNS N' ROSES
10 10 WALK ON WATER / EDDIE MONEY
11 11 THE PROMISE / WHEN IN ROME
12 17 TWO HEARTS / PHIL COLLINS
13 14 IN YOUR ROOM / BANGLES
14 13 FINISH WHAT YA STARTED / VAN HALEN
15 21 DON'T RUSH ME / TAYLOR DAYNE
16 18 SPY IN THE HOUSE OF LOVE / WAS(NOT WAS)
17 22 I REMEMBER HOLDING YOU / BOYS CLUB
18 24 SILHOUETTE / KENNY G
19 20 EARLY IN THE MORNING / ROBERT PALMER
20 25 SMOOTH CRIMINAL / MICHAEL JACKSON
21 28 ARMAGEDDON IT / DEF LEPPARD
22 12 DESIRE / U2
23 29 PUT A LITTLE LOVE IN YOUR HEART / ANNIE LENNOX & AL GREEN
24 31 THE WAY YOU LOVE ME / KARYN WHITE
25 34 ALL THIS TIME / TIFFANY
26 15 BAD MEDICINE / BON JOVI
27 26 NOT JUST ANOTHER GIRL / IVAN NEVILLE
28 19 WILD, WILD WEST / THE ESCAPE CLUB
29 23 KOKOMO(FROM THE"COCKTAIL"SOUNDTRACK) / THE BEACH BOYS
30 38 LITTLE LIAR / JOAN JETT & THE BLACKHEARTS
31 41 WHEN THE CHILDREN CRY / WHITE LION
32 37 WILD WORLD / MAXI PRIEST
33 32 YEAH, YEAH, YEAH / JUDSON SPENCE
34 44 BORN TO BE MY BABY / BON JOVI
35 40 HOLDING ON / STEVE WINWOOD
36 39 THANKS FOR MY CHILD / CHERYL "PEPSII" RILEY
37 16 KISSING A FOOL / GEORGE MICHAEL
38 50 WHEN I'M WITH YOU / SHERIFF
39 42 GHOST TOWN / CHEAP TRICK
40 46 I WANNA HAVE SOME FUN / SAMANTHA FOX



コメント (21)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アイヴァン・ネヴィル Ivan N... | トップ | アニタ・ベイカー Anita Bake... »
最新の画像もっと見る

21 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
第三のシカゴ (音時)
2024-12-15 21:55:57
https://neverendingmusic.blog.jp/archives/22356168.html
「第三のシカゴ」の曲、という星船さんのコメントがピッタリきました。
毎年12月になると思い出して聴きたくなる一曲です。
返信する
ダイアン・ウォーレンの起用 (星船)
2024-12-15 22:31:53
音時さんこんばんは。
外部ソングライターダイアン・ウォーレンの起用、昔からのシカゴファンには納得できないところもあるかもしれませんが、Bill Champlinのボーカルにはぴったり曲でした。歌詞は女々しすぎるでしょ、というところもありましたが。
変化しながら様々な曲に挑戦するシカゴ、私は大好きでした。
返信する
80年代の締めくくり (hannah)
2024-12-15 22:50:58
星船さん、こんばんは。
まだ80年代は終わっていませんが、イメージチェンジに成功したChicagoの80年代締めくくりの大ヒットでした。
ヒットメイカーのD.WarrenとR.Nevisonの手は借りていますが、60年代よりも70年代よりも最も輝いた時代だったかも知れません。
Starshipも同じような足跡ですね。
返信する
偉大なロックグループ (星船)
2024-12-16 18:18:54
hannahさんこんばんは。
Chicagoですが、70年代前半から、途切れることなく、コンスタントにシングルヒットがありました。その中でも、70年代前半、80年代前半、そして、この80年代後半と、三つのピークがありました。それぞれに良さが違っているところが、またこのグループの素晴らしいところでしょう。偉大なロックグループでした。
返信する
Unknown (覇者のみなさん 😀😘😤😝😜)
2024-12-16 20:02:46
80デボラさん「ニックスさんありがとう、まだ新年には良いことありそう♥️でもソロアルバム対決はアタシの完敗ね😢」
81キムカンさん「途中変なの居たけど、アタシのも実質10週1位みたいなもんよね?でもまあホントに曲に恵まれたわあ☺️」
82オリビアさん「イモチェンが当たるなんてやっぱアタシよね?ルーさんミックさんごめん😫LPバカ売れなら許してね😃」
83スチングさん「いやオレらの代表曲はメッセージか月歩行かどどどでだだだなんで、あの曲はまあまあの評価でいいよ🤔」
84プリ夫さん「なんかポールがイチャモンつけてたらしいけどオレでイイよね?ポールは76で優勝じゃん、セコいよ😒」

つづく
かも知れないぞ🤣
返信する
Unknown (かんた)
2024-12-16 21:49:03
シカゴの年間チャート第1位には驚きました。
いや、これはアルバム主体に聞いていた70年代のシカゴが好きだったからというわけではありません。
まさか、あの『素直になれなくて』を年間チャートで上回るヒット曲が出てくるとは、夢にも思っていなかったからです。
それだけに、『素直になれなくて』で路線変更して戸惑ったファンの方々も多かったはずなのに、この年間チャート結果はそれを上まわる衝撃だったのではなかったでしょうか?
ただ、この曲が80年代最後の年間チャートで1位を締めくくったわけですから、往年のファンの方々にとっては喜びもひとしおだったのではないかと思われます。
それと同時に、この結果は、まさに80年代のシカゴを象徴する結果とも言えたかもしれません。
返信する
ロック系の№1 (hannah)
2024-12-16 21:51:36
星船さん、こんばんは。
Chicago3曲目の№1はP.Cetera以外のヴォーカルでしかも、初めてのロック系の楽曲の№1でした。
そして、№1になったのが75年、82年、88年とそれぞれがけっこうな間隔がありました。
これだけ間隔が開いている№1を持っているアーティストも珍しいのでは?
返信する
Unknown (星船)
2024-12-16 22:13:09
覇者のみなさんこんばんは。
年間No.1ですねぇ、いろんな曲があったな。懐かしくもありますが。
返信する
Peter Ceteraが抜けて (星船)
2024-12-16 22:20:39
かんたさんこんばんは。
私は、そのだいぶ前、75年から76年にかけて、"Old Days"のあと、驚きのバラード「愛ある別れ」の1位の時からのシカゴファンですので、『素直になれなくて』の1位にはそんなに驚かなかったですが、今回の"Look Away"、Peter Ceteraが抜けて、もうダメかも、のシカゴからの1位、それも年間、それは驚きましたです。
返信する
思い浮かぶのはロッド・スチュワート (星船)
2024-12-16 22:28:16
hannahさんこんばんは。
そうでした、だいぶ間が空いた1位でした。それだけ長く活躍した偉大なグループでしたね。
間隔が空いた1位としては、このあいだ、ビーチボーイズ67年以来20年ぶりがありましたが、3曲じゃあないですね。思い浮かぶのはロッド・スチュワート、71年「マギー・メイ」、76年「今夜決めよう」、79年「アイム・セクシー」、93年「オール・フォー・ラブ」でしょうか。
返信する

コメントを投稿

1988年ビルボードTop40」カテゴリの最新記事