中島京子の『長いお別れ』を読んだ。中央公論文芸賞受賞作。
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お話の中心にいるのは認知症を患った老人。ゆっくりと時間をかけて進行していく認知症とともに生きる家族をあたたかく、切なく描く作品。妻の苦労は相当なものだと思われるのだが、そのあたりは多く語らず優しく描いていて、タイトル通りの長いお別れを迎えることに・・・。認知症を患った老人を中心に語られるお話なのだが、妻や3人の娘、さらには孫まで、それぞれの人生を描いていく作品で、全般的に優しさに包まれたお話、ある意味幸せな認知症を患った老人の物語。
優しいラストを迎える作品で読後感はイイ。ただ、この作品を読んで、認知症になって家族に迷惑をかけるのだけは避けたいなぁと思ったよ。
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