恩田陸の『訪問者』を読んだ。吹雪の山荘もの風の本格ミステリー風作品。
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事故死した著名な映画監督 峠昌彦の相続について、峠の友人で弁護士の井上が朝霞家を訪問したところ、いろんな訪問者が現れ、さらに死体がひとつ。一体なにが起こっているのか? 嵐によるがけ崩れで陸の孤島になってしまった朝霞家にさらに訪問者が現れ・・・。
すべての章の始まりは、「来客(訪問者)を告げるベルが鳴った。」の一節、うまくタイトルを意識させる。なかなか面白く読める作品で一気に読了。なるほどそう捻りますか って印象だ。
以下ネタバレを含むので未読の方は読まないように。
この作品のポイントは、死体はあるもののあくまで事故死で、誰も殺されていないこと。吹雪の山荘もの風とか本格ミステリー風とかの表現にしたのはそのため。事件があったと思わせて、話をすすめていって、でも事件はなかったですよ(事故はあったが)ということで、うまく作者に騙された気はするなぁ。
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