ミセスローゼンの上人坂日記

黄砂降る屋根にバイオリン弾き居るや



最終日は、ほっとした顔の新郎新婦の案内で、戦禍を逃れ上海に暮らしていたユダヤ人の記念館を見学する。ヴェネツィアで見たユダヤ人記念館によく似ている。アンネフランクの部屋の写真なども飾られて、アムステルダムの本物のアンネ達の部屋を見た想い出が蘇る。戦時の日本人に関する記述を読むと胸が痛む。


祭壇の中にトーラ(聖書)がある。







赤煉瓦色ののら猫が沢山いる。街は終日霞んで、外出すると喉が痛くなる。当時のユダヤ人もこんな猫と一緒にここで暮らして居たんだろうなあ、という実感がわく。



ホテルで最後の生徒、Yi Fan君のレッスン。偶然彼がコルニドレイを弾いたので感激。ユダヤ人の魂の祈りのやうな曲だ。ニック以上にコルニドレイを感動的に弾くチェリストを私は知らない。サン=サーンスやエルガーは誰に習ってもいいけど、この曲はニックに習えて良かったね、Yi Fan君。



夜は北京ダックの店でお別れ会。







ニックがハオジェ母に花を贈り、両親から我々にスカーフが贈られる。ハオジェの親友の朱君が今回の滞在中日本語で両親と我々の為に通訳をしてくれた。ミシェルの素敵な親友Tienも披露宴のニックのスピーチを通訳してくれた。



ニックは十年ヴィザを取得したので、ちょくちょく上海に来て生徒を教える事も出来る。再会を約して乾杯。
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