伊月庵通信の夏号。組長の巻頭文と俳句に大泣きした。母の看取りや葬儀に手一杯で、先生の喪失を嘆く余裕が無かった。これから益々悲しくなるだろう。益々句を読むだろう。
『プレバト‼︎』の浜田杯で優勝したオッチャンの句が素晴らしかった。浜ちゃんの太っ腹さ、思いやりの深さ、人懐こさが、ストレートに書かなくても、コロッケ百個のエピソードで全部伝わる。挨拶句の上手い人は人間力の高い人。つくづくそう思った。
「句集野路菊より」
南天の明治の匂う床柱 信野
大鍋のおでんかかえて海屋形 同
みどり児の母見る瞳小春かな 同
取り壊した実家の床の間の床柱って南天だっけ? あの家を父が建てたのは昭和なので、昔の家か、母の実家の思い出か。それともどこかで見たのか。
二句目。海屋形は、真珠貝の養殖が盛んだった頃の海上に組んだ屋根付きの小屋。母の兄弟も屋形で作業をしていた。おでんを差し入れをしたのか。
三句目。赤子が母を見る瞳に感動している。愛娘が母となった事に感動しているのだ。
句集野路菊はこれで終わり。次回は母の書いた後書きを読む。