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ミセスローゼンの上人坂日記

捨てられぬ我楽多ばかり百合匂ふ

朝からブラームス四番聴き比べ。
フルトヴェングラー、ゼル、カラヤン、トスカニーニ、バーンスタイン、カルロス・クライバー。これらを技術点と芸術点で採点する。技術点とは、メロディと伴奏のバランス、全ての音がクリア、テンポがカウントできるなど。芸術点は、いかに楽団員をインスパイアして弾かせるか。楽団員をインスパイア出来なくて、どうして観客をインスパイア出来るってね。私のブラームス四番金メダルは、カルロス・クライバー。銀はゼル。銅はトスカニーニ。しかし明日も明後日も聴きたいと思うのは、フルトヴェングラーのライブ。戦争の歴史が無ければ、“戦火のブラームス”という特別な瞬間は生まれなかった。世界にとってこれはせめてもの慰めです。とっ散らかった部屋に百合を飾れば特別な香りが生まれるように、最悪な時に最善の物が生まれる事もある。コロナ下の最悪のオリンピックにも、“入場行進のドラクエ”のような至高の瞬間が生まれ、勇者達を奮い立たせ、民の心を励ます事が出来るものなのです。

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