子供達が軒の氷柱を折り取って、手に手に戦ったり、ブロックみたいに色んな長さの氷のピースをくっつけて組み立てて機関銃を作ったり、小さい子はそれを見ながら氷柱をなめたりしている。
暇なリフトの番人は氷と雪で、サングラスかけてピースしているスノーマンを作っている。うまいもんだ。
リッチな老人やリッチな家族はホテルポルティーリョの部屋に泊まり、プアな若者達はインカロッジ（二段ベッドの四人部屋）に詰め込まれて、昼は山で大暴れ、夜中までクラブで踊って大騒ぎしている。
我々のようにちょいリッチな老人は、なんとインカロッジの四人部屋を二人で借り切るという贅沢をしている。それでもホテルに泊まるより半分以上安い。ニックは、若者に混じって共同シャワーを浴びたり、裸で廊下をうろついて女の子にクスクス笑われるのが好きだから、趣味と倹約を兼ねているのだ。
私はマヌエラというスイス人の先生にスキーを教わっている。富士吉田のバレエスタジオシュシュで、私はこのところ膝の筋肉をつける秘密特訓をしていた。痛い膝のお皿を酷使せず、膝周りの筋肉を強化して踊れるようにするメニュー、怪我をしたダンサーがやるみたいに、「座バレエ」や「寝バレエ」をやっていた。これがきつい。踊るよりきつい練習もある。その成果あって、今回スキーして腹筋がついてるのに驚いた。何がすごいかていうと、スキーはいて歩いたり登ったりは、中年スキーヤーには相当つらいものだが、それが、腹筋使って上半身引き上げてやるとスイスイ歩ける。スキー履いてスケート滑りも、内股筋肉使って楽にできる。バレエやって本当によかった。スキースクール三日目の明日はいよいよ急斜面だ。
