悪い事が出尽くした後の良き事って素晴らしい!!
ワミレストリオの本番当日、リハーサルに行く前。ニックが髭を整えている時、唇をざっくり切ってしまった。血をサラサラにする薬を飲んでいるため中々止まらない。唇にバンドエイドを貼り、ティッシュを分厚く噛ませ、じっとして居ると止まるが、リハーサルで思い切り弾くとまた血が垂れてくる。
「本番中に出血しても、誰も何もするな。俺は白いシャツが真っ赤に染まるまで弾き続け、今宵、伝説のチェリストになる」
と冗談を言える元気はあった。
瀬戸大橋架線事故。岡山マラソン渋滞による更なる遅延。うどん県でチェーン店の蕎麦を食う(そば吉は美味しいけれども)。などの後にこんな凶事が待っていたとは!
しかし、コンサートは大成功だった!
アクシデントを潜り抜け、アドレナリンと集中力がどっと出たのか、特別に繊細で、大胆な演奏だった、と私は思う。
ソナタの相棒であるピアニストの有吉英奈さんと一緒に、メンデルスゾーンを祈り、ベートーベンを歌い、渾身のラフマニノフを捧げた。トリオが一丸となって、一曲ずつ、音楽の喜びをお届けした。会場の雰囲気も常にも増して温かかった。ヴァイオリン演奏の美しさもさることながら、柏原大蔵さんの語りがいきいきと楽しくて、会場に素敵な一体感が生まれた。
今年、句友、音友に加えて、美友というジャンルが新たに私に出来た。ワミレスコスメティックスの美しい顧客の皆さまの応援が本当に嬉しく頼もしかった。一年に一度銀座王子ホールに集まって、こんな美しい時間を持てる事に心から感謝をしている今、アメリカ東部時間の午前5時55分。