「パン焼いて俳句のありがたさを知る」
迷いが吹き切れた。余計な事を考えず、サワードウブレッドに集中、同じ事を何度も繰り返す内に改良点が明らかとなり、少しずつ進歩を重ね、ついに我が家のサワードウブレッドレシピが完成。相談していた次女に報告したら、「煮詰まった時に諦めなくてよかったね。」と祝ってくれた。そう。俳句で煮詰まる事は無いが、パン作りは煮詰まって苦しくなる。何故か? それは、パンは発酵するかしないか、うまく焼けるか失敗か、否応無しの結果が出るから。パンに自己満足は無い。生焼けのパンを食べて、でも頑張ったからこれでいい、とは思えない。一所懸命こねた思い出があるから発酵しなくても愛しい、とは絶対に思えん。俳句と思い出は切っても切れないから、うまくできない句も愛しく思える。パンが膨らまぬ悲しさで一句詠めば、少しは慰められる。趣味がパンだけでなくて、俳句もやっててよかったよかった。