サントリーホール前の噴水広場には、カラヤン広場という名が付いていることを知った。オリジナルのヘルベルト・フォン・カラヤン広場は、オーストリア・ザルツブルクにあるそうだ。赤坂のカラヤン広場は、カラヤン本人が何かアドバイスして作られたゆえカラヤンの名を貰ったとウィキに書いてある。どんなアドバイスだったのだらう。本家カラヤン広場にあるやうな馬を洗う噴水を作ったらどうかね? とかだらうか。私はカラヤンの指揮は素晴らしいと思うが、ついナチスのことを連想してしまうので暗く重苦しくなるのだが、カラヤン広場は全く明るく楽しい。何たって目の前がサントリーホールだし、ちょっと塩辛いけど本番前に食べるのにちょうどよいスープ店があるし、「陳麻婆豆腐 」という赤看板を見るだけで麻婆豆腐が激烈に食べたくなるチャイニーズレストランもある。
音楽家の名前を冠した広場や通りは世界に数あれど、私の一番好きな広場は、リチャード・タッカースクエアというメトロポリタンオペラハウスの側にある三角形の小さな広場だ。黄色と飴色の看板を見るだけで食べたくなるワッフルの屋台が出ており、週末には花と野菜とパイの青空市が立つ。友達や子供達と何度待ち合わせしたことか。リチャード・タッカーは、ニューヨーク・ブルックリン生まれのユダヤ人。マンハッタンのシナゴーグで少年時代から歌い始め、メトロポリタン歌劇場の支配人にスカウトされ後に有名なオペラ歌手となった。
残念ながらナサニエル・ローゼン広場なんつうものは今のところ、世界中どこにもない。いつか故郷カリフォルニアのラグナ・ナイゲルのゲートコミュニティーの中などに、ローズマリーの香る岬の荒れ地などに、そんな名がつかないだろうか。つかないだろう。仕方ないので、私は山中湖の我が家とお隣の楽器工房との間の空き地を、そう名づけて毎日犬と歩いている。
最新の画像もっと見る
最近の「日記」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事