昔大阪芸大のスクールバス乗場には、猿爺と呼ばれる乗客押し込め係がいて、私も背中をグイグイ押されてムカついたものだ。が、猿爺が悪いのではない。猿爺はそれで生活していたのだから、女子大生を押すのを楽しんだ部分は、多少あったとしてもだ。悪いのは、猿爺に押されてまでバスに乗ろうとする私であった。
マナーが悪いのは、リュックが背負えぬ程混み合う電車に尚乗ろうとする乗客であり、リュックを背負う乗客ではないのに、問題をすり替えてる、諸悪の根源に目をつぶり罪の無い者を、さりげなく糾弾してるように感じる、このポスターは。して諸悪の根源は、電車内の節操の無いくっ付き合いを作り出してる、日本人みな兄弟姉妹的な無意識から来る日本的常識だと私は思う。多種多様な民族や異星人やロボットなどが(例えばスターウオーズの酒場くらい)満員電車内に充満してたとしたら、あなたは腕や腰をお互いにくっつけ合うことが可能だと思うだろうか。
そもそも、日本とアメリカ(NYとLA)では、人と人とのスペースの許容範囲に差がある。アメリカでは、ある程度(他人と袖が触れ合わない程度)車両やエレベーターが人で埋まったら、乗るのを諦める人が多い。満員のエスカレーターを走り上る人が少ない。
物理的なものだけではなく、精神的スペースもまた日米では違う。アメリカ人は会えば握手キスハグ、そして大統領でもファーストネームで呼び合うなど、表面的にはフレンドリーだが、内面は独立精神や異人種・異文化間のリスペクトによる、人との距離の置き方、その示し方が、住宅を囲む壁のようにビシッと決まって安全を感じる。エレベーターに2人乗り合わせたら、敵意の無い事を示す為に必ず、ニコッと微笑む。それが、マナーです。もし、間違って袖が触れあってしまったら、アメリカ人は必ず一言謝る。それが、礼儀。人の肩に当たって、知らんぷりして先を急ぐ子供じみた無作法が許され、リュックを背負う人々(例えば旅行者)が咎めらるのは変だ。
最後に、‥‥‥マナーです、という言い方も妙だ。グッドマナース、と何故言わないの? 日本式省略は面白い物(ジョージ・ワシントン橋を、ジョーワシ。コンビニエンスストアをコンビニと呼ぶとか。)もあれば、英語的に気持ち悪い物もあるから、油断ならない。何故にズバリと、リュックを背負わないのが礼儀です(混雑した車内では)、と言えないか? 何故ならばそれは別に礼儀ではないからだ。
ええい、ついでにもう一つ言えば、大阪の地下鉄もめちゃ混むけど、リュック背負った人がくんくん乗ってきて、ぐりぐり押されたおばちゃんは、ちょっとあんた!気いつけや!痛いやんか!と声をかけて注意するから気分がよい。東京はそれができないで、こんなポスター貼るから気色悪い、のは私だけ?
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