ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
『ホテル・カリフォルニアの殺人』(宝島社文庫)発売中です!

ビートルズの日2025 Help!

2025-02-04 22:08:38 | 日記
 
今日は2月4日。

ビートルズの日……ということで、今年もビートルズ記事です。

このシリーズでは、60周年を迎えるアルバムを紹介するというようなかたちが続いていますが、その流れでいくと、今回は65年発表のHelp!ということになります。

 

以前のビートルズ記事でもちょっと言及しましたが、この頃のビートルズは、渡米してボブ・ディランの影響を受け、そこから内省的な方向を出すようになったといわれます。
ビートルズが本格的な変化を見せ始めるのは次作Rubber Soul からだと私は認識していますが、たしかにこのHelp!でも、それまでになかった側面を見せ始めてはいるでしょう。それは、収録曲のカバーなどを見ていても感じられます。ということで、それらのカバーをいくつか見てみましょう。



まず、タイトル曲を、ディープ・パープルがカバーしています。
以前このブログでそのMVを紹介しましたが、今回はアルバム音源のバージョンで。

Help

ディープ・パープルが当初サイケデリック系のバンドだったというのは、何度か書いてきました。その時期の彼らがHelp!を取り上げたのは、そこにサイケデリックに通じるものを感じていたからでもあるでしょう。


ディランの影響ということでよく言及される「悲しみはぶっとばせ」。
私の敬愛するジャクソン・ブラウンがカバーするバージョンがあります。

You've Got To Hide Your Love Away

2011年に行われたジョン・レノントリビュートイベントでのパフォーマンス。
2011年というのはつまり、東日本大震災の年ということで、そのチャリティ的な意味合いで、イベントの収益から日本赤十字に寄付されているということのようです。
「悲しみはぶっとばせ」というタイトルはその趣旨にふさわしいように思えますが、実は歌の内容はそういう感じでもなく……日本語ではそんなタイトルになっているということで選曲したんでしょうか。そのあたりの事情はわかりませんが、ボブ・ディラン、ビートルズ、ジャクソン・ブラウンとつながってくるのは、たしかにフォークロックの魂を感じさせます。


ディランに勝るとも劣らぬロックンロールのレジェンド、エルヴィス・プレスリー。「イエスタデイ」をカバーしています。

Yesterday (Live)


「涙の乗車券」。
ヴァニラ・ファッジのカバーするバージョンで。
この曲は、カーペンターズのカバーも有名だと思いますが、ヴァニラ・ファッジなんかもやっていたわけです。

Ticket to Ride

余談ながら、ここでドラムを叩いているカーマイン・アピスは、後年はHR/HM方面でも活躍していて、先日死去したジョン・サイクスとも一緒に活動したことがありました。


アルバム中唯一の非オリジナル曲Dizzy Miss Lizzy。
ここはカバーではなく、オリジネイターであるラリー・ウィリアムズのバージョンを。

Dizzy Miss Lizzy

ラリー・ウィリアムズといえば、ビートルズのSlow Downという曲も、オリジナルはこの人です。Slow Downは、ジャムがカバーしたりもしていました。

……といふうにこの記事で出てきたアーティストの名前を見て来ると、ジャンルがじつに多彩です。
オールディーズ系から、フォーク、ハードロック、ヘヴィメタル、パンク……それらがまだ混然一体だった時期から、次第に細分化し始めるのが60年代の終わりごろ。Help!は、それを先取りするような作品ともいえるのではないでしょうか。




ピロウズ解散

2025-02-02 21:50:28 | 日記

昨日のことになりますが、ピロウズが、突然解散を発表しました。

なんの前触れもなく……

解散の原因などもよくわからない状態で、ファンの間では衝撃が広がっています。

ピロウズは、35年という長きにわたって活動してきたバンドではありますが、その間決して安定した状態だったわけではありません。オリジナルベーシストの脱退や、活動休止、サポートベーシストの解雇といったことがありました。

このうち、サポートベーシストの解雇については、“卒業”といったような言い方もできたでしょうが、あえて「素行不良による解雇」とはっきりアナウンスしたところに、彼らの誠実さが表れていたと思います。

今回の解散発表も、そういうことでしょう。
公式声明では、「解散という強い言葉を使う事は非常に迷いましたが、いつか再始動があるか期待させるような言葉を使うのはためらわれ、このような表現とさせて頂きました」としています。

それだけ強い意思での決定ということなので、ファンとしてはとにかくその決断を尊重するしかないでしょう。
今はとりあえず、長い間お疲れさまでした、といいたいと思います。

ハイブリッドレインボウ/the pillows