春となると、その徴を探す。戴益は「尽日春を尋ねて春を見ず」と歌っているが、私たちも「小さな春」を尋ねたりする。長い冬から開放され、春を一日も早く実感したくなるのは自然なことです。
一方秋は、「桐一葉落ちて天下の秋を知る」「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる」とかと詠まれるように、立秋を迎えても、秋と言う実感が無い。 でも、詩人は桐の葉が落ちるのを見て、秋の到来を感じ取り、夕暮れ時の風の感触に秋を見たりするのです。しかし、待ちわびる心境にはならない。
今年はなんともひどい夏でした。猛暑、酷暑、それに大雨、水害と大変な思いをされた方も多い、こんな夏は早く過ぎて欲しいところでしょうが、どうもこの暑さはまだしばらく続きそうだ。でも、台風がやってきた。やっぱり秋が来ているのですね。