NHKのクローズアップ現代で取り上げられたイラク戦争に派遣されたサマワの自衛隊。戦争終了後11年も立ちながら、政府による検証はまったく行われていない。
先日のテレビで初めて知った事実には驚いた。声も出なくなった。派遣された自衛隊員は約1万人。その内、帰国後に精神的な理由で自死した人が28人に上るとある。
憲法解釈で集団的自衛権が認められていない中で、サマワは「非戦闘地域」「安全は十分に確保されている」とこじつけの論理で強引に戦争さなかのイラクに派遣された自衛隊員。その実情は当時の政府発表とはまったく違っていたようだ。
武器の使用は原則行わないと言いながら、現地では守備を担当する外国軍隊と一緒に訓練が行われていた。もちろんその訓練、武器の使用が前提となっていたと想像できる。
また、装備品のなかには万一の事態を想定してか当初から10ヶの棺があったそうだ。隊内ではもし犠牲者が出た場合、国葬も視野に入れての検討がなされたと記録に残っていた。
非戦闘地域と位置付けられながら、日常作業の現場では頻繁に銃声が響いていたという。どこに地雷が埋めてあるか分からない。夜になっても安心はできない。迫撃砲の音はしばしば聞こえてくる。常時見張りが必要。
派遣中ひとときも恐怖から逃れられず、極度の緊張で明け暮れた隊員の毎日は、想像を絶するものがあったであろう。
マスコミは普段と変わらぬ隊員生活やサマワの人達との交流など美談だけを大きく報道していた。本当ですか。戦争を美談で語ることはできません。戦争は残酷悲惨です。
憲法に定められている憲法改正の手続きをとらずに閣議決定で集団的自衛権行使を可能にしょうと焦る安倍総理。戦争は残酷悲惨です。何の罪もない多くの国民を悲しませ、苦しませる行為です。
そこでお願い。初心に帰り、政府によるイラク戦争の検証をお願いします。その上で多くの国民の意見を勘案しつつ、憲法改正も視野に集団的自衛権についての国民的議論を深めてください。
従軍慰安婦についての河野談話の検証を行うようですが、その前にイラク戦争の検証が必要ではないでしょうか。参加の是非の検証だけでなく、すべての現象の検証を望んでいます。
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