脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

タオ(4)

2007年08月28日 09時41分34秒 | 言葉の雫

上善は水の若(ごと)し。
水は善く万物を利して而(しか)も争わず。
衆人の悪(にく)む所に処(お)る。
故に道に畿(ちか)し。

(出典:『老子』小川環樹訳注、中央公論社)

老子『道徳経』の中でも有名な第八章冒頭の一節です。
水の尊さと、その真に高貴な美しさを感じさせます。
老荘好きには、最も親しまれ、愛されてきた章句ではないでしょうか。

「衆人の悪む所」とは、訳注に拠れば、「低いところ」あるいは
「汚水のよどんでいるところをさすかもしれない」とあります。
どんな境遇にあっても、恬然とした水の姿に心を打たれます。

私は、前半の二行に繋がれた、この一行に胸を衝かれます。
水に光と影、陰陽を見据える老子の慧眼が冴え渡っています。

しかし、四行目では、こんな水でさえ道に近いものの喩えに過ぎない、
道そのものではないのだと、念を押しているかのようです。

道とは、大宇宙の果てのように遠い存在なのでしょうか?
いや、きっと、私たちに最も身近な存在でもあるのでしょう。

人気blogランキングへ
ブログ村 自作詩・ポエム





最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。