「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

日本と世界のリアル状況確認と僕の思索を書き留めるブログ。
重要なことはメルマガで展開していますので、ご購読下さい。

高濃度汚染地域特定と低濃度地域の除染の徹底を。特に西日本を。

2011-06-24 02:39:08 | 福島第一原発と放射能

 放射能汚染を拡大しないために、次に必要な事は汚染されているエリアをどんどん特定して、高濃度に汚染されている場所とそうでないところを識別し、特に除染が可能な場所から、除染を中心とした社会システムに切り替えていく作業が大切になってきます。土壌の汚染が深刻な場所は、はっきりいって難しいです。特に日本国内にどういう場所にそういうところがあるのか、特定する作業を進める必要があります。

 福島などの東北や関東は当然の事ですが、ことはそれにとどまりません。甲信越、中部、北陸、関西くらいまでのエリアの中では、恐らく局所的にホットスポットが出来ている可能性があります。こうしたところをいち早く突き止めるため、自治体ごとに十数か所くらいは、土壌調査をおこなうべきです。そして、特にセシウムがたまっている場所をいち早くみつけることが大切です。そうするとどこが、高濃度に汚染されている、どこがあまり汚染されていないというのがハッキリするはずです。いろんな意見があっても汚染されている場所がどこなのかをハッキリさせる事が大切です。岩手県の一関の教育委員会が、群馬大の早川教授の指摘に抗議をしたという話を見ましたが、根本的におかしいです。間違いかどうか、一関の土壌を十箇所程度土壌調査をして、セシウムを調べれば、実際に放射性物質があるかどうかがわかる。調べればよいのです。調べていくと、事実がはっきりする。事実がはっきりすると、高濃度なのかそうでないのかがわかってきます。間違いなら、その時に抗議すべきです。調べたほうがよいのです。危険を指摘する声には真摯に耳を傾けなければならない。そうしたことが必要です。調べる場所は念のためには、日本全国に及んだほうがよいかもしれません。思わぬ落とし穴がどこにあるのかわかりません。西の方で、山の谷間のエリアや湾岸の風が吹き溜まる場所で、高いエリアの報告は僕にも届いています。

 地域の特定に一年程度は時間がかかるかもしれない。時間がかかってもそれをすすめることで、いろんなことがずいぶんと変化してきます。高濃度と低濃度で区分けをしていくと、おのずと住める場所と住めない場所がはっきりとしてきます。住める場所であっても住む事を維持するためには、いろんな作業が必要になってくる。その根幹が「除染」です。ある種の除染をビジネスとして展開する状況は恐らくそう遠い先の話ではありません。除染をするのかしないのかで、恐らくその地域の存亡がかかってきます。玄関の出入り口で除染を中心とした作業が不可欠になるように、都市の出入り口である、高速道路や駅、空港などでもさまざまな除染のシステムが必要になる。

どこが高濃度で、どこが低濃度か見極める作業、さらに平行して除染をすすめる作業。特に、低濃度の可能性が高い西日本などでは、今から真剣に取り組むかどうかで、将来が大きく変わるかもしれない。

「ガレキはいらないが、人は受け入れる」ということは、こうした感覚の反映でもあると思います。

 

================================================

名古屋であす講演会です。

「脱原発@愛知名古屋 木下黄太講演会 ~放射能汚染被害の実態と対策~」
日時:6月25日(土)午後3時から

場所:愛知県あま市甚目寺町甚目寺観音法花院
会費:カンパ500円
申し込み先 oddiyana@gmail.com

問い合わせ:http://datsugen-aichi-nagoya.net/?page_id=6
企画担当:林久義
企画者よりのメッセージ
「いろんなところで木下氏の講演会が行われますが、各会の方どなたかが核となって下さい。
互いに連絡を取り合いたいです。この各地域地域の核になる会が、結ばれ融合してゆく事を期待します。1)FBの広がりから2)各地域での会の結成3)各地域の融合体への展開4)そして、大きな声をあげられる行動へ、みなさんの更なるご提案等を期待しています。」

=========================================

 

 ある程度被曝しているエリア(首都圏も入ります)の人、特に子ども、妊婦、妊娠可能な女性は、被曝線量の低い場所に退避すべきだと僕は思います。優先順位は「避難する」ことです。僕はそれしか言う事ありません。慢性的に被曝することは避けるべきですから、できる限り早く退避することをすすめます。