中国のGDPが一昨年に日本を上回ったが、人口が日本の10倍なのだから一人当たりのGDPは日本の1/10にしかならない。もし日本人の収入が1/10になれば、大半の人は生活できなくなるだろう。
但しこの比較には無理がある。中国は元安を国策としているので為替レートに基く比較は実態を反映しない。そのせいもありインフラも含めて物価が非常に安いので一人当たりのGDPではなく購買力平価を見るべきだろう。しかしその場合でも日本の1/5程度しかないらしい。中国はまだまだ貧しい国と言わざるを得ない。マスコミに登場する富裕層は例外であり、人口の22%を占める農民の大半は貧困層だ。いくら「先富論」という理論的裏付けがあるとは言え社会主義国である中国の都市部と農村部でこれほどの格差があることは日本人の感覚で見れば異常だ。
但し格差についての感情は日本人と外国人とでは随分異なる。ご存知のとおりアメリカは格差を是認する国だし、ヨーロッパも北欧以外は以外なほど格差には無頓着だ。儒教の古典「書経」には「斉(ひと)しきは斉しからざるによる」(意訳すれば「真の平等は不平等によってこそ成立する」)と記されており、格差を社会問題とする国は少ない。日本人の国民感情は国際的には特異なものだ。
「隣人の年収は1,000万円で自分の年収が500万円の社会と、隣人の年収が600万円で自分の年収が400万円の社会とではどちらが好ましいか」という問いがあれば、私は迷わずに前者を選ぶが、少なからぬ日本人は後者を選ぶらしい。日本は妙な意味での「競争社会」だ。他人に負けることを恥として引き摺り下ろそうとするのはただの嫉妬ではないだろうか。
但しこの比較には無理がある。中国は元安を国策としているので為替レートに基く比較は実態を反映しない。そのせいもありインフラも含めて物価が非常に安いので一人当たりのGDPではなく購買力平価を見るべきだろう。しかしその場合でも日本の1/5程度しかないらしい。中国はまだまだ貧しい国と言わざるを得ない。マスコミに登場する富裕層は例外であり、人口の22%を占める農民の大半は貧困層だ。いくら「先富論」という理論的裏付けがあるとは言え社会主義国である中国の都市部と農村部でこれほどの格差があることは日本人の感覚で見れば異常だ。
但し格差についての感情は日本人と外国人とでは随分異なる。ご存知のとおりアメリカは格差を是認する国だし、ヨーロッパも北欧以外は以外なほど格差には無頓着だ。儒教の古典「書経」には「斉(ひと)しきは斉しからざるによる」(意訳すれば「真の平等は不平等によってこそ成立する」)と記されており、格差を社会問題とする国は少ない。日本人の国民感情は国際的には特異なものだ。
「隣人の年収は1,000万円で自分の年収が500万円の社会と、隣人の年収が600万円で自分の年収が400万円の社会とではどちらが好ましいか」という問いがあれば、私は迷わずに前者を選ぶが、少なからぬ日本人は後者を選ぶらしい。日本は妙な意味での「競争社会」だ。他人に負けることを恥として引き摺り下ろそうとするのはただの嫉妬ではないだろうか。