俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

不正受給

2012-10-24 14:09:35 | Weblog
 私は和田秀樹氏の多くの著書を愛読している。特に「大人のための健康法」や「エビデンス主義」などには大いに啓発された。その和田氏が最新作の「テレビの金持ち目線」で生活保護バッシングを非難している。一部の不正受給者の存在を根拠にして、今でも不充分な制度である生活保護をこれ以上貧弱なものにすべきではない、というのが主旨だ。
 確かにマスコミの論調は偏っている。弱者切捨ての姿勢が大義名分を得て跳梁跋扈している。最低賃金と生活保護の逆転現象について2つの解決策があると思う。1つは今、散々主張されて実施されようとしている生活保護費の引き下げだ。もう1つはワーキングプアの人が生活保護を受け易くすることだ。収入が不充分な人は生活保護を受けることができるので本来なら逆転現象は起こらないのにこのことについては殆んど触れられてはいない。私は後者を推すが、福祉費を削減したい財務省の意向に沿った前者ばかりが報じられている。
 ワーキングプアは正業に就いていて貧しいのだから積極的に保護を受けるべきだ。保護を受けつつキャリアを磨いて低賃金生活から脱出することこそあるべき姿だ。その一方で非合法活動で稼いでいて表向きの収入がゼロの人に対しては、申請時や支給時に徹底的に調べて犯罪の摘発に役立てるべきだ。
 12日に神奈川県で生活保護を受けている外国人女性が売春の現行犯で逮捕された。彼女は6年前からの常習犯であり、今回逮捕されたのは路上で私服警察官を誘ったからだった。これは福祉事務所の怠慢だ。生活保護の支給に当っては、医薬品の横流しを含む非合法収入が無いかどうかを最優先で調べるべきだ。そうすれば暴力団員の不正受給の撲滅になるだけではなく犯罪の摘発にも繋がり一石二鳥となる。追銭を払うなら先ずその人が泥棒でないことを確認してからでなければならない。

強さと鈍さ

2012-10-24 13:43:46 | Weblog
 私は暑さにも寒さにも強いと自負していた。この2年間、夏はエアコンを使わなかったし、冬の暖房は炬燵だけだった。外出時の服装は真夏はシャツとポロシャツの2枚、真冬でもシャツ、セーター、ブルゾンの3枚だけで余り厚着をしなかった。このことを長年、適応力が高いと思っていたが最近不安になり始めた。老人は寒暖を感じる能力が衰えて、夏は熱中症に罹る人、冬は凍死する人が多いと知ったからだ。私は寒暖に強いと思っていたが実は鈍いだけなのかも知れない。
 うどんに七味を山盛りにして食べる人をテレビで見たことがある。この人は辛さに強いのではなく辛さに鈍いのだと思う。もしかしたら辛味を感じるに能力に重大な欠陥があるのかも知れない。
 打たれ強いと言われる政治家がいる。直近4代の首相(麻生、鳩山、菅、野田の各氏)は揃って打たれ強い。国民に愛想を尽かされて支持率が10%台まで落ちても粘りに粘って権力の座を明け渡そうとはしない。これは打たれ強いのではなく世間に対して鈍感なのかも知れない。彼らと比べたら「私は自分自身を客観的に見ることができるんです。あなたとは違うんです。」と言って突然辞任した4代前の福田首相のほうが余程まともな神経を持っていたようにも思える。
 しかし福田氏の辞任は余りにも唐突だった。支持率は20%ほどありまだ末期状態とは思えなかっただけに今でも米国陰謀説が取り沙汰されている。最後に余計な発言さえしなければ潔い辞め方だったと評価されていたかも知れない。