俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

糖質

2016-01-26 10:35:32 | Weblog
 食品はカロリーによって一元的に評価されているがこれは根本的に間違っているだろう。
 蛋白質と脂質の本来の用途は体細胞を作ることだ。体細胞を作るために必要な量以上に摂取された分だけがカロリーとして使われる。但しエネルギー源が不足している状況であれば先にエネルギーとして使われてしまうから体細胞の修復が不充分になる。
 現代日本人の食生活を見る限り、蛋白質と脂質を過剰摂取している人は殆んどいない。だから蛋白質と脂質は殆んどが体細胞作りに使われエネルギー源に回されるのはほんの一部だけだろう。
 残念ながら私の知る限りでは、蛋白質と脂質の何割が体細胞作りに使われ何割がエネルギーとして使われるかを調べた研究は見当たらない。多分摂取量のかなり多くが体細胞作りに使われていると思うのだが、カロリー論では総てがエネルギー源として使われるという前提で計算されている。蛋白質は1ℊ当り4㎉、資質は1ℊ当り9㎉とされているが、これはこれらが体細胞作りには全く使われないという現実離れをした前提に基づいている。仮に半分が体細胞作りに使われるならこれらのカロリー量は半減させて計算すべきだろう。
 糖質(食物繊維を除く炭水化物)は体細胞作りには全く役に立たない。だからこそ必須アミノ酸や必須脂肪酸はあるが必須炭水化物など無い。蛋白質と脂質は体細胞のための素材だが糖質は脂肪にしか変換できないから余剰分は体脂肪か皮下脂肪として備蓄される。
 給料の一部を現物支給する材木会社があるとする。社員は汎用性のある現金はすぐに使ってしまうが使い勝手の悪い材木はどんどん備蓄されその内、保管場所にさえ困るようになる。たとえ等価値であっても、汎用性のあるものはすぐに使われ、汎用性の無いものは余る。蛋白質と脂質は現金に当り糖質は材木に当たる。重要なのは汎用性のある現金であり汎用性の無い材木が増えても備蓄が増えるばかりだ。糖質偏重の食事は決してヘルシーではない。多分、脂まみれのメニューのほうが砂糖(糖質)まみれのメニューよりもずっとヘルシーだろう。

自動修復

2016-01-26 09:58:28 | Weblog
 危険と知らずに危険な場所に住んでいる人がいる。福島第一原発近隣の住民がそうだった。原発が危険と分かってから原発周辺の住民は危険に備えるようになったからそれ以前よりも安全に暮らせるようになった。
 南の海には様々な危険な動物が棲んでいる。私が最も嫌うのはクラゲと海蛇だ。私のように潜水をすれば彼らの存在に気付くが多くの人は水の中を見ないから危険に気付かない。こんな人は危険な目に遭い易い。
 たかがクラゲと馬鹿にすべきではない。沖縄には猛毒を持つハブクラゲがいる。小さなクラゲでも群をなせば恐ろしい。大型哺乳類でも食べ尽くすと言われている軍隊アリのようなものだ。彼らに襲われれば全身水疱だらけになる。
 海蛇は沖縄では割とありふれた動物らしい。本島のビーチで泳いでいたら海水浴客の股の間を数匹の海蛇が通り抜けていた。大慌てで監視員に伝えたが無視された。こんな実態を知れば怖くて泳げなくなるだろう。
 日本人の薬好きほど私にとって理解し難いことは無い。毒物である薬を全く用心せずに飲んでいる。彼らは薬がなぜ効くのか考えたことが無いのだろう。有効な薬は2種類しかない。病原体を殺す毒物と不足している栄養素を補充するサプリメントだけだ。それ以外の薬は痛みなどの不快感を緩和する対症療法薬に過ぎない。
 あらゆる生物に自動修復機能が備わっている。誰も治療をしてくれないのだから自力で治さざるを得ない。自動修復力が乏しかった生物は多分総て絶滅したのだろう。
 人類には自然治癒力が備わっているから薬で不快感を抑えている間に自然治癒力が働いて治癒される。薬によって治ると信じ込まされているが鎮痛剤や解熱剤などには全く治療力は備わっていない。
 自動修復機能が備わった機械を人間は未だ作っていないから壊れた機械は修理せねば直らない。しかし自動修復機能に頼る動物の体は修理をしても治らない。このことは最も身近な怪我である切り傷や擦り傷を考えればすぐに分かる。医療にできることは一時凌ぎの対策だけであって傷口は自然治癒力によって修復される。決して医療が修復させる訳ではない。人工物に囲まれていると生物に当たり前のように備わっている自動修復力が見えなくなる。自動修復されているものまで人為と思い込んでいるから必要の無い医療や有害な医療が横行している。薬の危険性を知ることによって生活は今よりも安全になる。