京都府立植物園の冷房室は面積は狭いですが、色々な植物が目白押し。
その中には、「綺麗」というより「奇妙」という方がふさわしい花もあります。
今日はそんな花を3種類、並べてみました。
まず最初はこちらです。
この特徴的な姿は、ウマノスズクサ科、アリストロキア・サルバドレンシス。
エルサルバドルに自生する小低木です。
スターウォーズのダースベイダーみたいな花は、一度見たら忘れられません。
それにしても、花といいながら、どれが花弁?蕊は?
調べてみると、この赤紫色のマスクのような部分は萼で、花弁はないそうです。
蕊はあるそうですが、確認できませんでした。
おや、あの人だかりは何でしょう。
みな少し上の方にスマホを向けて写真を撮っています。
私もパチリ。
サルの顔のラン!と書いてありましたが、イマイチ猿には見えないよ~
名前は、ドラクラ・コルドバエ、略称ドラクエですね(←ウソ)
こちらはエクアドル原産のラン科です。
で、その横にあったのがこちらです。
お~、これこれ!
これぞおサル顔のラン、ドラクラ・サウリーです。
まさに猿。見た人は誰もが歓声を上げていました。
ペルー原産。
すぐ近く、下に咲いていたこの花、綺麗ですよね。
花の全体はこんな感じ。
これだけ見ると、なぜ今日の「奇妙な花」に入れられているのか分かりませんよね。
でも葉を見るとこんな感じで。
これ、知ってる!という方もおられるのでは。
この漏斗のようなカップ状の葉が特徴の植物は、サラセニア科のヘリアンフォラ・ヘテロドクサです。
ベネズエラのギアナ高地の固有種だそうで、暑さは苦手。
冷房室では綺麗な花を咲かせていました。
で、なにが奇妙かというと、サラセニアは食虫植物。このカップ状の葉で虫を捕らえるのです。
葉の内側には多数の蜜腺があり、それにつられた虫が中に入ると奥の方は下向きの毛が生えてツルツル。
底まで滑り落ちると、そこにはバクテリアが待ち構えていてあえなく虫は分解。
サラセニアはその栄養を「いっただっきま~す!」というわけ。
最後はこちらです。
いかにも怪しく口を開けたこの花は・・・
ご存知ウツボカズラの仲間、オオウツボカズラです。
ボルネオ産のウツボカズラ科。
この壺状の部分は捕虫嚢で、落とし穴方式で虫を捕らえます。
蓋があり、雨のときは中に水が入らないようになっているそう。
で、壺の縁はつるつるになっており、ここに虫が止まると足をすべらせてぽとん。
壺の内側をトリミングしてみたらこんな感じ。
見たところそれほど滑りそうではないですが、実際にはどうなんでしょうか。
なんだかあやしい表面ですね。
ということで、冷房室の奇妙な植物、いかがでしたか。
明日は、砂漠サバンナ室から高山植物室です!
【撮影:2024/1/27 京都府立植物園】