ベルのきもち

日常のささやかな幸福感を書いていきたいと思います。

アメリカミステリー『駄作』

2014-06-26 15:19:45 | 本の紹介
byジェシー・ケラーマン。林香織訳。ハヤカワ書房。

何とも不思議なミステリーというか、スパイ小説? フアンタジー小説?

幼馴染でベストセラー作家のビルが海難事故で亡くなり、親友のプフェファコーンが葬儀に出たことから物語は始まる。
プフェファコーンとビルはともに作家を志した仲だったが。プフェファコーンはたった1冊上司しただけで、ぱっとせず。
じきにあきらめてしがない大学の非常勤講師になった。一方、ビルはシリーズのスパイ小説をつぎつぎ出し、
そのすべてがベストセラーになり、大金を稼いでいた。だからプフェファコーンはビルに対して劣等感を持ち、最近はあまり連絡をとっていなかった。
葬儀の後、ビルの妻カーロッタにビルの自宅に案内された。プフェファコーンはビルの仕事場で未発表の原稿を見つけて・・・・
それに少し手を加えて、自分のもととして発表してしまう。案の定、その小説はベストセラーになり・・・プフェファコーンは有名になった。
しかし次の原稿が書けなかった。そんなとき彼に連絡してくる見知らぬ男がいた。その男こそが・・・
だんだんストーリーが展開するにつれて、スパイ小説の様相を呈し始め・・・東ズラビアと西ズラビアの紛争に引き入れられるプフェファコーン。
これらの国は架空の国だが風変わりな価値観、風習を持っていて・・・夢で見たような既視感のあるような、ないような、なんとも不思議な小説でした。

ちなみに作者、ジェシー・ケラーマンは作家、ジョナサン&フェイ・ケラーマンの息子で、これが彼の5冊目の小説。
エドガー賞最優秀長編賞の候補作。