byグロリア・マーフィー。石川順子訳。扶桑社ミステリー。
元夫でデクスターはハンサムで礼儀正しく、人あたりがよく、かつてラジオの人気DJだった。しかしそれは表の顔、家庭ではアンジェラにひどい暴力をふるい、とうとう火事を起こし・・・
デクスターは逮捕され、刑務所へ。離婚も成立し、アンジェラは中学教師をして、7歳になった息子を育てながら平穏に暮らしていた。そこへ元夫デクスターが出所したところからまた、悪夢がよみがえる。
デクスターはアンジェラのまわりのひとたちの同情をかい、たくみに人の心を繰る。彼は息子に会う権利を主張し・・・アンジェラの両親までもが、過去の罪を悔い改め、アンジェラと息子と3人でやり直そうという彼の言葉を信じるようになる。誰もアンジェラの抱く恐怖を理解してくれない。そればかりか頑なにデクスターを許そうとしない、アンジェラのほうが悪いと彼女を説得しようとまでする。
アンジェラは執拗に狡猾につきまとうデクスターから逃れることはできるのか。息子を守ることはできるのか。