ここのところ、また新潟の日曜の天気が悪いパターンになっている。
先週の前半は、6日の予報には傘マークがついていた。
そこで近隣の県を調べてみると、山形だけ晴れマーク。そうだ、小国に行こう。
「越後の山旅」を読んでいてずっと憧れていた風景。梅花皮ノ大瀑に逢いに行こう。
100m以上の五段になって落下する「飯豊連峰にも比類のない眺め」なんだそうだ。
日帰り梶川尾根といえば、丸森尾根との巡回コースが一般的。(?)
過去の飯豊連峰山開きの情報などを見てると、多くの山ガールたちが、日帰りで梶川尾根経由で門内小屋まで行ったりしている。
だから、大変は大変だろうが巡回できないことはないだろう、と思っていた。
丸森尾根から登るか、梶川尾根から登るか。
一応、万が一巡回できなかった場合を考えた。まだ登ったことのない地神山まで丸森尾根往復、を優先するか、梅花皮ノ大瀑を優先するか。
悩んだ末、梅花皮ノ大瀑に軍配が上がった。「越後の山旅」には丸森尾根を登って、梶川尾根を下るのが一般的、と書いてあるのに。
0713 梶川尾根登山口
そうとは聞いていたがいきなりの急登。
覚悟はできていたので驚きはしないが、日差しも強く辛い。
延々と続く急登と暑さ。この暑さを避けるために皆、もっと早朝にスタートして行ったんだろう。前後に人影はない。
ひたすら登る。足の松尾根も急登だが、所々アップダウンがあってペースを掴みやすいが、ここは登り一辺倒だ。
緩登不休に徹するが、心が折れそうになるなぁ、と思い始めたころ、前方に登山者が見え、仲間がいたと少し元気になる。
0839 湯沢峰
梶川尾根第1ステージクリアである。ザックの調整や水分補給をしてすぐ出発。先は長い。
ここからは下りだ。せっかく登ったのにもったいない!と思わせられるほどの大下り。そしてまた急登へと転じた。
0918 滝見場
ようやく滝見場についた。
まず目に飛び込むのが石転び沢大雪渓、上部に雲がかかり、なかなかの迫力で迎えてくれた。あそこを登る人がいるのが不思議になるほどの急勾配だ。
そして梅花皮ノ大瀑。あれか。距離があるから、小さい!しかも2段にしか見えない。下はまだ雪渓が埋めているようだ。木の枝も邪魔。期待が大きかっただけに残念。
1か月もすれば全貌をみせてくれるのか?
滝見場から10分ほど登ったところで、マムシに遭遇。山でマムシをみるのはこれが初めて。さすがにビビる。
きょうは最初からトレッキングポールは縮めて両手で木の枝につかまったり、岩角に指をかけたりしながら登っているので、手を伸ばした先にマムシがいるんじゃないかと心配になる。蛇は、登山道脇に悠然と佇んでいたりする。そこに急に手が伸びてきたら、噛むだろうななどと想像しながら。
スズメバチは少なかった。下りで1回見ただけ。
1003 五郎清水
すでに500mlのペットボトルは1本半空いている。
ここで水を補給することが安全登山の条件と考え、水場に向かって下るがなかなかの急坂。しかも、水にたどり着くには雪渓を横断しなければならないようだ。こんなところで滑ったり、雪渓が崩れたりしたら、と考えると先に進めない。丸森の夫婦清水があるからと補給を断念する。
この時点ではまだ巡回できることに疑いはもってなかった。
ここを過ぎてから、足に違和感。踏み込み方によっては攣りそうになる。ペースが落ちる。
1106 梶川峰
ようやくたどり着いた。
梶川尾根第2ステージクリア。
広々した斜面を埋め尽くすハイマツと笹原。飯豊ならではの風景。
が、見上げる主稜はまだ遠く、高い。憧れの地神山も圧倒的な威容で聳えている。
しばらく腰を上げることが出来ず、大休止。
気合を入れ直し、第3ステージを登るが、今度はふくらはぎが攣りそうになる。
雲が湧き、日差しが遮られているのが救い。
1204 扇ノ地紙
きょうの最高到達地点となる、扇ノ地紙に着いた。
巡回のため、5時間が目標だったので一応クリアしたが、その代償は大きい。
地神山方向から二人やってくる。朝、丸森尾根の登山口でお見かけした方。
丸森から登り、梶川を下る、逆回りの方々。夫婦清水はジャブジャブ出ていたと教えてもらう。
が、これから地神山に登る気力はかなり薄れていた。
門内岳方向から降りてきた方が、柱だけだった標柱に扇ノ地紙と書かれた板を括り付けた。
地神山までは、3,40分の登りであることと、雲がかかると、雪渓で道を迷いやすいことなど教えていただく。
ビビンバ焼飯と大人の清涼飲料でまったりすると、もう梶川尾根を下ることに迷いはなかった。
水はペットボトル1本。いざとなれば、あの五郎清水があると自分を納得させる。
1251 扇ノ地紙出発
1356 3本カンバから石転び沢大雪渓
1413 五郎清水
水場に下る気力なし。そんな事、下る前からわかっていたのに・・・。
1436 滝見場
滝見場と湯沢峰の鞍部は、いかにもクマの通り道になりそうな雰囲気。
登りにさしかかると、物音が。クマかと思い、鈴を思い切り振って鳴らすが、丸森尾根から巡回してきたお二人だった。
1504 湯沢峰
1545 飯豊山荘の屋根が大きく見えた。近い、もうすぐと思うが、そこからがえらく長く感じた。
このころになるともう、頭の半分はどうしたら水を得られるかという妄想のような思い。
もう半分は、滑らないように足をどこに置くかという冷めた思い。
1612 登山口に戻る。下り3時間20分
着いた途端両足が痙攣し湯沢橋の上にへたり込んでしまった。
飯豊山荘について水を買いたいというと奥に自動販売機があると。
スパッツの紐を外し、靴を脱ぐ、という行為に取り掛かる事がかったるく、玄関でへたばっていると、見かねた山荘の方が自動販売機から買ってきてくださった。ありがとうございました。
やはり私には遠かった地神山。次回はまた足の松尾根から挑もう。
川入が通れれば、我々のところからは福島側から行ったほうが速いのでしょうか?
大日杉とかの土地勘、皆無なんです。