ここにいない他者とコミュニケーションをとる能力は人間だけでなく、動物にもある。
例えば、マーキングである。犬などはある場所についた匂いによって様々な情報を得る。
人間はその能力をより高度に発達させることにより、いろんなものを生み出してきた。
言葉はその中でも最も重要なものである。
言葉=文字によって空間や時間を越え、会ったこともない人の考えを簡単に受け取ることができる。
そして、それをもっと進めて、人間は今はもう存在していない他者、つまり「死者」とすらコミュニケーションをとってしまう。例えば、遺言などもそうだ。
死んだ人間を思い出して、泣いてしまうこともある。
これもある種のコミュニケーションである。
人間は死んだら土に還るだけだ。
しかし、死者ともコミュニケーションをとってしまうのが、人間の大きな特徴である。