「強くなりたい」は平井堅の隠れた名曲。絢香がカバーしている。
絢香がバセドー病を克服して復活するらしい。この歌唱力がそのまま埋もれてしまうのはもったいない。頑張ってもらいたいということでアップした。
今、あんまり強くなりたいなんて思わなくなった。強くなったからかもしれないし、そうでないのかもしれない。理由は分からない。しかし、中学生くらいの時、好きな子がいて、本当にそう思っていた。これを聴くとその時思っていたことが蘇ってくる。
「恋は燃える火と同じで、絶えずかきたてられていないと持続できない。だから希望を持ったり不安になったりすることがなくなると、たちまち恋は息絶えるのである」とラ・ロシュフコーはいう。
平井堅は数々の名曲といわれるラブソングを歌い上げているが、その本質は、「遮断」なのではないかと思っている。どんなに深く愛しあっていても、両者は融合せず遮断され孤立している。その孤立した場所から、力の限り愛を歌い上げるのだ。そのピュアで真っさらな気持ちが、人の心にまっすぐ届く。
ただ逆にいえば、安定し安心した心の状態からは、平井堅の産み出すような心を揺さぶるラブソングは生まれない。
だが、本当に強い人は愛する人を安心させる人である。そうすると、ラ・ロシュフコーのいうように、たちまち恋は消えさってしまう。何たる人生の矛盾。
しかし、恋は消えても愛は残るのかもしれない。そう想いたいけどね。