文章には、説明、場面、描写の3つがあります。
僕は、この3つの表現方法について、時間の流れと関連付けて覚えています。
説明は、話を大づかみに述べる文章です。長い時間を短縮して、簡潔に述べます。
場面は、リアルタイムで起こっている出来事を、実況中継している感じで書いていきます。
描写は、短時間で起こっていることを細かく書いていきます。スローモーションで物事を見ている感じです。
これだけだと、ちょっと分かりづらいので、ストーリーにしてみました。
もちろん、フィクションですよ。
1
むかしむかし、少女と少年がいました。2人は、17歳で出会い、愛し合い、交際しました。そして、20歳で別れました。
それから、20年の長い月日が流れ、少女は結婚して、子供ができ、母になりました。
少年は、独身のままでしたが、立派な男性に成長しました。
2
その日、僕は葛西臨海公園のナイトマラソンにエントリーして、公園内のコースを走っていた。
10キロの短い距離だ。夜のマラソンは、気持ちがいいので、定期的に参加していた。
残り3キロくらいの地点で、キレイなフォームをした女性が、僕の前を走っていた。
追い越せそうで、なかなか追い越せなかった。僕は彼女の隣に並んだ。
追い越すために、少しスピードをあげた。すると、彼女もスピードをあげた。負けず嫌いのようだ。
横をちらっと見た。見覚えのある顔だった。彼女も私の顔を見た。何かを感じたようだ。
その瞬間、二人で、走りながら、アーって声をあげた。
隣で走っている女性は、20歳のときに、交際して別れた彼女だった。
3
二人で一緒にゴールすると、彼女は両手を脇において、肩で息をし、僕の顔を見つめていた。
正面から見た彼女の顔は、20歳の彼女ではなかった。
昔に比べ、頬が少しこけて、シャープな顔になっていた。瞳は相変わらず大きくクリクリしていた。しかし、目尻に細かいシワが刻まれていた。
視線を下に移した。形のいい胸がゼッケンをアーチ型にしていた。ウェストはきっちりくびれていて、スタイルは良かった。悪くない歳のとり方だった。
僕は吸い込まれるように彼女を観察していた。
彼女はおもむろに、後ろに束ねていた髪を振りほどいて、頭をくしゃくしゃにした。
たぶん、僕が彼女をじーっと見ていたから、照れたのだろう。そういう性格もまったく変わっていなかった。
僕は手を差し出し、彼女に握手を求めた。彼女はニコッと笑って、手を差し出した。
そして、僕たちは握手をした。
1は、ほんの数行で二十年くらい時間が流れています。だから、説明になります。
2は、リアルタイムで起こっていることを書いているので、場面になります。
3は、ゴールしてから握手するまでの、数十秒間を、スローモーションのように詳しく書いているので、描写になります。
僕のブログは、ほとんど「説明」と「場面」で構成されています。説明のほうが多いかな。
というのも、「描写」は読むのに苦労を強いるので、読者に苦痛を与えてしまうからです。
文字数も多くなると、なかなか最後まで読んでもらえません。
でも、たまに詳しく描写してみたい事柄もあります。まあ、書きませんけど。
参考文献