フリードリヒの日記

日常の出来事を、やさしい気持ちで書いていきたい

文章中の時間の流れについて

2020年06月10日 07時00分00秒 | 日々の出来事・雑記

文章には、説明、場面、描写の3つがあります。

僕は、この3つの表現方法について、時間の流れと関連付けて覚えています。

説明は、話を大づかみに述べる文章です。長い時間を短縮して、簡潔に述べます。

場面は、リアルタイムで起こっている出来事を、実況中継している感じで書いていきます。

描写は、短時間で起こっていることを細かく書いていきます。スローモーションで物事を見ている感じです。

これだけだと、ちょっと分かりづらいので、ストーリーにしてみました。

もちろん、フィクションですよ。

 

むかしむかし、少女と少年がいました。2人は、17歳で出会い、愛し合い、交際しました。そして、20歳で別れました。

それから、20年の長い月日が流れ、少女は結婚して、子供ができ、母になりました。

少年は、独身のままでしたが、立派な男性に成長しました。


その日、僕は葛西臨海公園のナイトマラソンにエントリーして、公園内のコースを走っていた。
10キロの短い距離だ。夜のマラソンは、気持ちがいいので、定期的に参加していた。
残り3キロくらいの地点で、キレイなフォームをした女性が、僕の前を走っていた。
追い越せそうで、なかなか追い越せなかった。僕は彼女の隣に並んだ。
追い越すために、少しスピードをあげた。すると、彼女もスピードをあげた。負けず嫌いのようだ。
横をちらっと見た。見覚えのある顔だった。彼女も私の顔を見た。何かを感じたようだ。

その瞬間、二人で、走りながら、アーって声をあげた。

隣で走っている女性は、20歳のときに、交際して別れた彼女だった。


二人で一緒にゴールすると、彼女は両手を脇において、肩で息をし、僕の顔を見つめていた。
正面から見た彼女の顔は、20歳の彼女ではなかった。
昔に比べ、頬が少しこけて、シャープな顔になっていた。瞳は相変わらず大きくクリクリしていた。しかし、目尻に細かいシワが刻まれていた。
視線を下に移した。
形のいい胸がゼッケンをアーチ型にしていた。ウェストはきっちりくびれていて、スタイルは良かった。悪くない歳のとり方だった。
僕は吸い込まれるように彼女を観察していた。
彼女はおもむろに、後ろに束ねていた髪を振りほどいて、頭をくしゃくしゃにした。
たぶん、僕が彼女をじーっと見ていたから、照れたのだろう。そういう性格もまったく変わっていなかった。
僕は手を差し出し、彼女に握手を求めた。彼女はニコッと笑って、手を差し出した。
そして、僕たちは握手をした。

 

1は、ほんの数行で二十年くらい時間が流れています。だから、説明になります。

2は、リアルタイムで起こっていることを書いているので、場面になります。

3は、ゴールしてから握手するまでの、数十秒間を、スローモーションのように詳しく書いているので、描写になります。


僕のブログは、ほとんど「説明」と「場面」で構成されています。説明のほうが多いかな。

というのも、「描写」は読むのに苦労を強いるので、読者に苦痛を与えてしまうからです。

文字数も多くなると、なかなか最後まで読んでもらえません。

でも、たまに詳しく描写してみたい事柄もあります。まあ、書きませんけど。


参考文献 

物語は作れたがどんな文章で小説にしていいか分からない人のための覚書

描写のwhyとhowーほんとに描写が苦手な人のための、表現を導く発想法

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