フリードリヒの日記

日常の出来事を、やさしい気持ちで書いていきたい

将監峠 唐松尾山  9月24日

2011年10月02日 01時33分40秒 | 登山

 多少の昨日の疲れが残っているものの、ほぼ復活した。登山はハードなスポーツでアホみたいに体力を消耗するが、夜にやることがなく休息時間も多いので体力は回復する。
 寝袋から出て、テントを素早く撤収し、6時半頃に出発する。
 今日は、将監峠に行ってそこから唐松尾山に登る。笠取山まで行こうか少し迷っている。どこまで行くかはその時の状況で判断するが、そこからもう一度将監峠方面に戻ってきて、秩父の和名倉山(白石山)
に向かう。
 
 
地図だと飛龍山が竜喰山に、和名倉山が白石山になっている。

地図画像



 

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 富士山が綺麗に見える。昨日はガスに覆われ景色は見えなかったので感動する。

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苔に覆われた道。日本庭園のようだ。


 画像 1459  画像 1460

 出発から一時間半くらいで将監峠につく。8時00。
 私は新潟平野の真ん中で生まれたので、峠というものを知らずに育った。道もほとんど真っ直ぐで平坦なものだ。坂道もほとんどない。19歳くらいのときに、はじめて鎌倉をドライブした時、あまりの急な坂の多さに衝撃を受けた。坂道発進で死にそうになった。余談ではあるが。だからというわけではないが、山道や峠と聞くと少し興奮してしまう。面白いものだ。
 今回訪れたかった場所の一つが将監峠である。ただ、将監峠はいろいろ謎が多い。謎というと大げさだが、峠自体の歴史的な存在意義がいまいちよく分からない。
 例えば、雁坂峠は秩父大滝村の繭を塩山に運ぶためのシルクロードで、秩父と甲斐の交易おこなう峠だった。それから、小説で有名な大菩薩嶺峠は、甲州街道の裏道として機能していたらしい。というのも通行手形なく通れたので、旅芸人、逃亡した遊女、犯罪人などが人目をはばかってひっそり通り抜けする道だったそうだ。
 それに対し、将監峠はどういう性質の峠だったのだろうか。丹波山村の村民が秩父を抜けるために使ったのだろうか。それとも、雁坂峠から十文字峠を通り抜け信州方面に向かうための道だったのだろうか。その辺のことは、ネットで調べてみてもどこにも記述がない。ただ、峠は山を境界として人や物を移動させる通路なのだから、何らかの意味があったに違いない。


 画像 1462

 山の神土に向かう途中に、レリーフがあった。
 
 萬羽日出夫君ここに眠る享年18歳
 WV部 S49年、5,1 東洋大学工学部

 私より若い。何があったのかよく分からないが、冥福を祈る。

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 山の神土に到着。8時40分。
 ここから笠取山方面に行く道と和名倉山(白石山)方面に行く道とに分かれる。
 
 ここで写真を撮っていると、年配のおじさんがやってくる。
「こんにちは」と声をかける。
「えーと、今日はどちらまでいかれるんですか」と聞いてみる。これから和名倉山まで行くとのことだ。ただ、体力が無いので頂上を目指しているわけではなく、いけるところまで行って帰ってくるとのことだった。
「俺は唐松尾山まで行って笠取山まで行ければいくつもりです」と言うと、「笠取山なんてすぐ着くよ。楽勝」と言われた。うーん、ひとごとだと思って簡単に言うなぁと思ったが、「それからまた戻って、和名倉山に行くつもりです」と言うと、「ああ、そうかそれは大変だね、無理しないほうがいいよ」と行ってくれた。どうやらこの辺のことは詳しいらしい。

 涼しいことは涼しいが、昨日より気温が上がり、しかも登りなので汗が出てくる。少しペースが早いようだ。落とさなくては。登山中のこの汗がなかなかのクセモノである。
 もともと私は登山向きの体型ではなかったと思う。筋肉質でそこそこの脂肪が付いているがっちりとした大柄な体型だったから。なぜこのような体型が登山向きではないかというと、持久力がないこと、それから汗をかくことの二点があげられる。
 細かいことを省いて大きくざっくりと言えば、体温調節は筋肉を動かすことによる発熱と皮膚からの熱の放射によって行われている。当然、筋肉が多ければ多いほど体温を上げること、つまり発熱はよくできる。そして、脂肪は熱を逃さない役割を果たすから、筋肉質で脂肪がほどよく付いている体型は、寒さには、原則的に強い。
 しかし、それが逆に暑さには弱くなる要素にもなる。つまり、筋肉を動かすと熱が出やすく、かつ脂肪で熱が逃げないので、体温が上昇しすぎるのである。人間は体温が44℃になるとタンパク質が固まってしまい死んでしまう。そこで、皮膚から熱を放射して体を冷やすことになる。その際に汗を出して体温を効率的に冷やそうとする。だから、筋肉質でそこそこ脂肪が付いている体型は、大量の汗が出るわけである。
 汗は効率的に体温を下げるための重要な機能であるが、山などの環境では体温を下げ過ぎてしまう場合が多いことから、汗をかきすぎると問題になる。休憩しているときなどは、夏といって標高が高ければけっこう気温は低いし、風が吹けばかなり体感温度はかなり低くなる。また、冬場に汗を大量にかけば冷えすぎて風邪を引いてしまう。だから、汗をできるだけかかないように体温調整することが、山では大事なのである。ゆっくり自分のペースで登り、汗をかかないように体温を調整することも有効な方法である。
 登山向きの体型は、筋肉は十分付いているがマッチョすぎない体型である。脂肪も少ないほうがいい(持久力の観点から無いと困るが)。細マッチョと言い換えてもいい。ヒマヤラのシェルパは皆そのような体型をしている。重い荷物を持てるだけの十分な筋肉で、かつ必要以上に発熱せず熱放射を行いやすい筋肉。
 私も最近だんだん細身になって、登山向きの体型に近づいていると思う。威圧感や迫力はなくなってしまったが。

画像 1465 

 唐松尾山到着。10時00。
 笠取山に行くか止めるか決断しなくてはならない。ここから笠取山まで、行って帰って3時間かかる。もう一度ここに戻ってくると13時になる。明日の和名倉山の秩父方面は、遭難しやすい道で有名なので、今日はできるだけ先の方まで行きたいと思っている。そうすると、唐松尾山に13時はちょっときつい感じだ。そこで、笠取山に行くのを諦める。今度、甲武信岳に縦走するとき通ろう。その時まで待ってろよ、ということで唐松尾山を下って、山の神土方面に向かうことにした。

 つづく 

 



 

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