アニマとアニムスはユング心理学の用語である。
アニマとは男性の心の中にある女性的な傾向をいい、アニムスは女性の心理内にある男性的な傾向をいう。
具体的にいえば、物語のなかでヒーローの恋愛の対象となる女性がアニマ、ヒロインを救う男性がアニムスということになる。つまり、自分の中にある女性性や男性性が、あこがれとなって恋愛の対象となるわけである。
男が恋に落ち、結婚し、献身的に振舞いたいと思う女性は、自分の無意識の中に存在している女性的部分である。
ただ、このようなパターンは、西洋的なアニマ・アニムスである。日本の神話や昔話では、秘密を持った女性が、それを見ることを禁止し、結果、男に見られ去っていくパターンが、繰り返し現れる。
この去っていく女性が、アニマということになるのだろうか。
また、女性側から見れば、日本の昔話に出てくる男たちは、戦わずプロポーズもせず、ただ受け身である。そのような男がアニムスということになるのだろうか。
日本の昔話は、すこし特殊なようだ。