晴耕雨読とか

本読んだり、いきものを見たり。でも、ほんとうは、ずっと仕事してます。

『畦と銃』

2011年09月01日 | 
この前、本屋で衝動的に買ってしまいました。

『畦と銃』(講談社/真藤順丈)。



正直、表紙を見たときは、ルポルタージュかと思いました。
中身は、、、、ハードボイルド一次産業小説かな?

農業、林業、畜産業の3部構成で、ある村を舞台にした、
ハードボイルドというかロックンロールというか、妙な小説でした。
どれも乱暴な感じ。

まぁ、おもしろかったと言えば、おもしろかった。
ふざけているようでいて、なかなかよく取材してあるような雰囲気。

まぁ、でも、力業過ぎるかな。。。、

最近の読書

2011年08月26日 | 
出張用に買った2冊。



梨木香歩『僕は、そして僕たちはどう生きるか』(理論社)。
行きの電車でさくっと読了。

本書は、「コペル君」が登場するあたり、
もちろん吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』(岩波文庫)をモチーフにした、、、
うーん、というかオマージュ?なのかな? 

どういうわけか『君たち…』は妻が若い頃に絵画教室の先生にいただいたとのことで、
うちの本棚にもささっていた。読んだ記憶はあるけれど、あんまり覚えていない。

だから、モチーフにしたのか、オマージュなのかはよくわからない。

小説としては説明のしすぎというか、語りすぎのところがあって、
著者は具体的にいろいろ伝えたかったんだろうなあと推察する。
その意味でも、読者想定が中学生ぐらいなのかな。

うん、まぁ、おもしろかったかな。

ちょっと前に読んで、あまりおもしろくなかった『形態の生命誌』(新潮選書)に出てきた
『人体 失敗の進化史』(遠藤秀紀著/光文社新書)も出張のお供に購入。



結局、出張後に読み始めるが、なかなかおもしろい感じ。
学者としては手練れの書き手だけに、ちょっと文章が鼻につくけれど、
進化の歴史を引きずり、その呪縛から逃れられない生物の形態について、
わかりやすく書かれている。

いまだお風呂本として読んでいるウィルス進化論の『破壊する創造者』(早川書房)と平行して読むと、
同じ進化を語りながらも、そのギャップというか、なんだかこう古典とモダンがミックスして、
進化というものの不思議さとかおもしろさが倍増する感じ。


『なぎさホテル』

2011年07月06日 | 
伊集院静の『なぎさホテル』(小学館)がようやくフツーの単行本になった。



半年ぐらい前に“電子書籍”といわれるもので発売されていた。
写真と音楽付き。

なんで作家が“リッチコンテンツ”なんで望むんだろう?
宮澤正明の写真も井上陽水の音楽も悪くはないだろうけど、
どうして小説をそんな風にする必要があったんだろう?

自伝的小説なのかエッセイなのか、とにかく「なぎさホテル」は実在したわけだけど、
でも、本物の写真なんてとくに見たくないし、音楽だって別になあ、、、。

この話は、今は別物(?)の草思社で出版していた『草思』というPR誌に連載していたものがベース。
読んでたよ『草思』。元気なころの出版社のいいPR誌だった。
連載は2001年から2002年。。。

とにかく、ようやくそれが単行本になりました。
うふふ。ゆっくり読みます、、、と言いつつ、あっという間に読んじゃうな。

★あっという間に読んじゃいました。

yonda?

2011年05月12日 | 
パンダでおなじみの新潮文庫yonda?CLUBから『Yonda? Z.Z.ZOO』という絵本が届きました。



妻が、新潮文庫に入っていたチラシで、突如欲しいといいだして、家中の新潮文庫をひっくり返して、
カバーのすみの応募券を切って、応募したものです。

意外と家に新潮文庫があるものですね。
まず20冊分でマグカップを注文。



このうち2個をゲット。ひとつは会社で使ってます。

加えて30冊分でこの絵本をゲットです。
つまり、計50冊の新潮文庫が家にあったわけです(実際は1、2冊買い足しましたが)。

この絵本、100%ORENGEという人の作品と言うことですが、だれそれ?
でも、非売品だけあって、さすがになかなかよくできてます。
新潮文庫の企画らしさと絵本としてのバランスが取れていて、おもしろかったです。


*100%ORENGEさん?、妻には「知らないの!? すごい有名だよ」とバカにされました。。。




串田孫一と鳥

2011年05月06日 | 
山小屋で時間でずいぶんとあったので、
持っていった『新選 山のパンセ』(串田孫一/岩波文庫)をずっと読む。

外で読み、寒くて、山小屋の中で読み、最後は布団で毛布にくるまって読みました。



串田さん、ずいぶん鳥が好きなんですね。鳥の名前がいっぱい出てきます。
おおっ、わたしといっしょじゃないか。。。と悦に入る。
わたしは、常に双眼鏡とともに登っています。

■今回、見たり、声を聞いたりした鳥
(串田さんは漢字表記だけれど)

オオルリ
キビタキ(姿も見た!)
コジュケイ(登山口あたりの里から声が聞こえてきた)
ツツドリ
アカハラ(姿も)
ヤブサメ(過去に一度も姿を見たことがない)
ヒガラ(いっぱいました)
ヤマガラ(ずいぶんと近くで見ました)
コゲラ
ゴジュウカラ
アカゲラ(2羽が鳴き交わしていたというか、バトルってた?)
コルリ
コマドリ(んー、勘違いかな~。前奏がなかったような気がするし。。。)
アオバト
ウグイス
センダイムシクイ
ホオジロ
ガビチョウ……

あとなんだろう、、、ムシクイのたぐいがもうちょっと鳴いていたような。
ヒタキ類のメスも見ました。ぜんぜん何のメスか分かりませんね。。。
もうちょっと声で識別できると楽しいんだと思いますが。





ジュンク堂池袋本店

2011年05月03日 | 
妻と、久しぶりにジュンク堂の池袋本店に行きました。
7階で「日本のコウモリ」写真展を見るため。
文一総合出版の『改訂版 コウモリ識別ハンドブック』出版記念だそう。

ま、コウモリの写真がいっぱい並んでいました。

買ったのは以下の通り。

『BAT TRIP ぼくはコウモリ』(北海道新聞社/中島宏章)。2冊目。1冊は知り合いにあげちゃったので。

『山のパンセ』(岩波文庫/串田孫一)。目についたので。意外と読んでなかったことに驚愕。

『哺乳類のフィールドサイン観察ガイド』(文一総合出版/熊谷さとし・安田守)。妙に細かかったので。

『虫と歌』(講談社)。妻が福島の友だちのところで読んできて、おもしろかったというマンガ。ちょっとキモイ。

『キャベツくん』(文研出版/長新太)。妻が買いました。ぶたやまさんサイコー。

児童書のフロアでは『新幹線のたび』(講談社/コマヤスカン)の原画展をやっていて、
かなりよかったです。青森から鹿児島まで新幹線で旅をするわけですが、
ずっと地域のデフォルメされた鳥瞰図で東北から九州まで展開します。
なかなかいい感じでした。買えばよかった。。。。。

明日からちょっと山に行きます。

『破壊する創造者』

2011年04月28日 | 
『破壊する創造者』(早川書房/フランク・ライアン)。



サブタイトルは「ウイルスが人を進化させた」。
そういう本ですね。

でも、オープニングは Elysia chlorotica というウミウシ!
葉緑素をたっぷりもった、コノハミドリの仲間ですね。
やつらが、どのようにして葉緑素を持ち得たのか?
それが本書を読めば、、、わかるのでしょうか?

それにしても、ハヤカワのポピュラーサイエンス本の罠にはまっているのか?わたしは。。。

『BAT TRIP ぼくはコウモリ』

2011年04月19日 | 
いや~、最高ですよ、これ。
近年まれに見る傑作。少なくとも日本の哺乳類の写真集で(狭っ!)。



『BAT TRIP ぼくはコウモリ』(北海道新聞社/中島宏章)。

昨年、田淵行男賞を受賞した作品もまとめたものです。
受賞作も見ましたが(確か25枚の組写真)、本の方がいいですね。
本という構成と見せ方のテンポが合ってるんでしょうね。

じつは、わたしは、、、コウモリにも(?)一家言あるのですが、
この本は、世間とナチュラリストの間を、それこそコウモリのようにすいすいと飛んで、
新しい世界を提示していて、なかなかです。
写真がうまいだけじゃないところがミソですね。

コウモリ全体がテーマですが、主役はコテングコウモリ。
わたしも、マルバダケブキなんかの枯れた葉の中で寝るコテングコウモリ探しにはまったことがあるのですが、
いやー、、、楽しい本ですよ。

デザインも若向き(?)で、ポップな感じ。よくもまあ、道新が出版したと思います。

著者のプロフィール写真もおかしいです。
現状、アマゾンでも売り切れのようですが、ぜひ!

ダンゴウオ写真集!

2011年04月08日 | 
出ました!
ダンゴウオの写真集!!



『不思議可愛いダンゴウオ』(佐藤長明/河出書房新社)。

舞台は、当然、ダンゴウオのメッカ、、、三陸志津川の、、、ああ、南三陸町です。
検索すると、著者の佐藤長明さんは外国にいらしたそうで。。。

とてつもない被害を受けた場所ですから、これからのことはわかりませんが、
いつかまたダイバーの皆さんがダンゴウオを楽しめるようなることを祈ります。

本は楽しい本ですよ、ライフサイクルも追えてるし、さかなクンも推薦してるし。。。
スナビクニンも出てきて、わが三浦の海と似ているんだな、と思いました。

アンズ?満開

2011年04月02日 | 
近所のお宅にアンズとおぼしき木があって、毎年、桜よりちょっと前に白い花を咲かせます。



夏ぐらいに実がなるのですが、いつも特製果実採り器のおばさんとハクビシンの競争です。
過去に2度ほどハクビシンが実を食べているの見ました。

根元がコンクリで固められていて、しかもかなりの老木。
去年は、落ちた実を拝借して、タネを蒔いてみたけど芽吹かず。
受粉してないから当然なのか?

今にも枯れそうなので、子孫を勝手に残したいと思っているのですが。。。

最近の読書

2011年03月26日 | 
お風呂本=『錯覚の科学』

おもしろいんですが、同じ話が続くイメージ。
まだ、終わりません。

寝床本=『苦海浄土』

最近、水俣病の和解のニュースが流れていましたが、
昭和40年代前半の話なのになあ。。。
水俣病も本も、ぜんぜん終わりません。。

『MAZE』(恩田陸/双葉文庫)

ひどい話なんですが、この本の第2作『クレオパトラの夢』が家に転がっていて(妻が買ったらしい)、
読み始めて、なかなかおもしろくて、でも、4分の1ぐらい読んでから、前に読んだことを思い出すという、、、。

「記憶力がないから、何度も楽しめる」と言った友人がいましたが、まさにそんな感じ。

で、おもしろかったので、その第1作を買ったわけです。
1ページ読んで、前に読んだことがあると気づきました。。。
パラパラ見てから買えよ! くやしいからいっきに再読。

いっしょに買った、これもいっき読み。

『飢餓浄土』(石井光太/河出書房新社)。
新聞広告に出ていて、ちょっと気になったので。
この人の本は、はじめて読みました。
アジアやアフリカの、、、地を這う人々の話。。。
なんか、扱っているテーマの割には(?)、著者は素直な感じで好印象。
この人のほかの本も読んでみようと思います。

このあたりまでが、先週の3連休まで。


通勤本=『女王の百年密室』(森博嗣/新潮文庫)。


『もやしもん 10巻』(石川雅之/講談社)。
知らない間に出ていました。
今回はウンチクが少なくて、それはそれで寂しいような。。。

最近、新聞広告に出ていて、速攻本屋に走りました(うそ)。

『ダンゴムシに心はあるのか』(森山徹/PHPサイエンス・ワールド新書)。
あるに決まってるじゃないですか!(きっぱり)
まだ読んでませんが。

読む本がいっぱいある幸せ。
逃避ともいう。

明日は会社だ。

最近の読書

2011年03月01日 | 
物理的にも内容的にも重い『苦海浄土』(石牟礼道子/河出書房新社 世界文学全集)はゆっくりと読んでいます。



なかなか進まないのは、内容のこともありますが、聞き書き的なところが多くて九州なまりの語りがやや厳しいのです。
なんというんでしょうか。。。水俣に行ってみたいという感情が少し出てきました。

今日、本屋で衝動買いして、失敗しかかっているのがこれ。



『青の物理学』(岩波書店)。空の青色の謎を解く本のようですが、
たいして中身を見ないで買ったわたしが悪いのですが、科学史的な感じで、ちょっと苦手な方向です。
ま、読んでいきますが。。。


重い本

2011年02月01日 | 
物理的にも、内容的にも重い本。



『河出書房新社世界文学全集Ⅲ-04 苦海浄土』(石牟礼道子/池澤夏樹編/河出書房新社)

約800ページ、重さ約800グラム。1ページ、1グラムか。
通勤には重いです。内容も。値段も4100円……。

癒し系

2011年01月30日 | 
あんまりに忙しい日々。
軽いもので癒されています。



めずらしく妻が買ってきたマンガ『水域』(漆原友紀/講談社)。
蟲師の漆原さんの新作です。あいかわらずあっち側の人です。ずっとそうなのでしょうか?
ダムに沈んだ村の過去と現在がつながるファンタジー。いい話です。

お次は、妻が借りてきたDVD「つむじ風食堂の夜」の原作。



『つむじ風食堂の夜』(吉田篤弘/ちくま文庫)。映画通りで、、、、あれ?逆か。。。原作通りの映画で、あれ?
ええと、不思議な感じの物語でした。

なかなかおもしろいです

2011年01月19日 | 
電車本として認定して、日々の通勤で読んでいる『群れのルール』(東洋経済新報社)ですが、
なかなかおもしろいです。



たしかにこれはビジネス書としてもぎりぎり成立しているようです。

ミツバチやアリの群れとしての意志決定、、、たとえば巣を決めるとか、どこで蜜やエサを集めるかとか、
どうして彼らは、群れとして正しい判断を下しているのか? 頭はよくないのに。。。

そこに何か学ぶことがあるのでは?というところから、
それをビジネスというか人間社会の意志決定やコンピュータのシステムなどに利用しようというものです。

まず最初に生き物の生態の話があって、それを具体的に利用している人間社会の話が続く構成になっています。
まだ2章の途中ですが、文章の平易で、わかりやすく興味深い内容になっています。

前に読んだ『ヤモリの指』(早川書房)は、ナノテクをベースにした「バイオミメティックス」の話で、
それは生物に学ぶ「ハード」だと言えそうですが、本書で展開されているのは「ソフト」という感じですね。

ミツバチの「みんなの意見で賢い判断を下す」というテーマで、
①知識の多様性も求める
②友好的なアイデア競争を促す
③選択肢を絞り込む効果的な方法を使う
・・・ということで、一部の専門家が判断するのではなく、「集合知」の優位性を説いています。

ミツバチの意志決定を利用したボーイング社のB787の開発遅れに対しての対応が、
結局、生かされず、最近またまたローンチが延期されたニュースが流れたばかりなのは、まぁ、愛嬌でしょうか?

続きが楽しみです。