晴耕雨読とか

本読んだり、いきものを見たり。でも、ほんとうは、ずっと仕事してます。

『Archipelago』

2008年02月09日 | 
Archipelago(NATIONAL GEOGRAPHIC)という写真集があります。
アーキペラゴ。多島海とか列島という意味です。この本では北西ハワイ諸島を指しています。数年前に、ナショナルジオグラフィック誌に掲載したものを大型写真集にまとめたものです。

北西ハワイ諸島は、昔、岩合光昭さんがNHKの取材で入り、いろいろな作品で紹介しているのでご存じの人も多いと思います。多くの海鳥やハワイモンクアザラシが生息し、人間の立ち入りが厳しく制限されている有名な保護区です。

場所のことはさておき、この本は特に海の生物をおもに白バック写真(黒バック写真も)で紹介しています。つまり、生き物を採取して水槽で撮影しているのです。
どの生き物もとても美しく、見ていて飽きない、楽しい本です。

生物の白バック写真は、生物を生息環境から完全に切り取ってしまうので、生物の写真としては批判もあるかもしれません。たしかに、色も表情も不自然になってしまうことも多いと思います。

でも、きちんとスタジオ写真が撮れる写真家(おもに広告写真家?)が撮影すると、ほんとうに美しい生き物のかたちと色が立ちのぼってきます。この本でも、ムカデミノウミウシのような生き物が出てくるですが、ほんとうに美しいでのです。ふだん野外でも見ていて知っているはずなのに、色もディテールも全然違うのです。

この本を見ていて思うのは、ちゃんと本文を読んでいないのでよく分かりませんが、貴重な生物だとは思うのですが、特に派手なものばかりが載っているわけではありません。どれも見た覚えがあるような普通の生物が掲載されています。

生物の白バック写真は、この本によって(ということでもないと思いますが…)、生物写真としてのある価値と地位を確立したように思います。

おすすめです。