晴耕雨読とか

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メガネザルは、なぜそんなに目がでかいのか

2008年11月22日 | 生き物
メガネザルをかわいいと思うかどうか、人によって微妙なところ(当然わたしはかわいいと思っている)。それは、ひとつに「目がでかすぎる……」というところにあるのではないか。ま、顔が邪悪っぽいとか、昆虫と食べるところが気持ち悪いとかの理由もありそうだが。

目がでかい。尋常ななくでかい(ちなみにわたしはそんなに目が大きいわけではない。当然メガネだが)。頭骨を見れば一目瞭然。頭のほとんどが目みたいな感じだ。片目の大きさが自分の脳と同じ大きさという話もある。

当然、“夜行性”だから目が大きいわけだが、でも、ほかの夜行性のほ乳類はどうなのか? ネコ科でもジャコウネコ科でもそんなにでかいわけじゃない。

そのわけはこれに書いてあった。



ドーキンスの『祖先の物語 上』(小学館)。

これによると、メガネザル類以外の夜行性ほ乳類とほとんどの夜行性鳥類は、タペータムという網膜にある反射層をもっていて、これにより一度入った光を反射させ、もう一度感知するような仕組みになっているという。

これは、ふだん野生動物を見ていて良く気づくことだ。ライトを当てると、反射して目が光るアレ。あれの原理がタペータムの作用。

メガネザルを含むサルの祖先はいったん昼行性になった段階でタペータムを失い、その後、夜行性に戻ったときに、このタペータムが再生できなかったと考えられている。だから目を大きくするしかなかったのだ。

メガネザルだけなく、すべてのサル類、類人猿も、当然、われわれ人類もタペータムをもっていない。そもそもサルのほとんどが昼行性で、メガネザルとか原猿類の一部が夜行性だから、われわれ人類も含め、そういう進化の道のりを歩んできたというわけか。進化の途中で、いろいろ失ったものも多い。ビタミンCも作れないし。

タペータム……ちょっと欲しい。



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