遊行期
新聞に「孤独のすすめ」と云う本の広告が載ていて、たちまち25万部突破とも書いてある。 孤独で困ってる人 なりたい人が多いみたいで俺も一人暮らし、どんなものかと買ってみた。 帯には作者の五木寛之の写真が載っていて80才を過ぎて毛髪は濃く若々しくて笑顔が魅力の男前、そこのいくとこの俺は頭髪は僅かだし たるんだ皮がぶら下ったみっともない顔だ。
薄い本で冒頭とおわりに回想について述べられている。 人生の下り坂 後ろを振り返って独り静かに楽しかった思い出を味う、実にこれはアクティブな時間で何度繰り返しても回想は金もかからないし習慣にするといい。回想が心を癒してくれる、と述べている。 早速やってみたけど楽しい事が出てこないで寅さんみたいに反省ばかり、作者は成功者でいい男の世界、モテるに決まってるし他人より楽しい事が多い訳だ と どうもひがみ根性が出て来てしまった。
映画「カルテット!」からマギースミス、ポーンコリンズ
中国の思想に「青春・朱夏・白秋・玄冬」と云うのがあって今は玄冬の時期なのに青春の生き方をしようと思っても無理であると書いてある。 確かにその通りであるが厳冬と云う言葉は 枯れ木だとかもうお仕舞いてな風に聞こえていけない。
もう一つ出てきた言葉がヒンズー教の概念で、学生期・家住期・林住期・遊行期、と云うのがあるそうで 林住期が解脱で俺の歳から言うと今は遊行期に入ったところ。定住を持たずにガンジスの岸に向って放浪すると書いてある。 無一文で放浪したくはないけど「遊行」という言葉は久米の仙人みたいで中国の玄冬よりコチラの方が親しみ易い。
いろいろと書かれてるけど俺は俺、 久米の仙人には及びもないが呑気にゆらゆらと過ごしていきたいものだ。