1千円床屋は10分ぐらいで終わるのが便利で その時期になると買い物のついでに覗いてみて空いてるのを確認してから入るようにしていて、
自分が行く店のドア窓は上半分が目隠しの紙が貼られてるので空き具合を確認するには腰を屈めて中を覗く事になる。
昨日は人通りが多くて格好悪いので 確認しないままドアを開けると先客が二名待っていて作業員はマスター独りだけ、仕掛り中の先客は今始まったばかり、これでは順番までは30分以上は掛かりそう。 帰って出直そうと思ったけどドアを開けると いらっしゃいませ と言われた関係で待つことにして椅子に腰かける。
平日の待合席の客は爺さんばかり並んでいて、マスターが 切り落として床に散らばってる髪の毛は生気のないゴマ塩の切れ端ばかりだ。
映画「リオグランデの砦」からジョン・ウェイン、モーリン・オハラ
やっと自分の番が回ってきて理容椅子に座る。
首がきつくないか と言われてから作業が始まり 鏡を見ると映し出された自分の顔の直ぐ横に知り合いの顔が映っている、 待合席の相手も気が付いて鏡に向かってニタニタしながら挨拶を交わして 少しの間ニタニタしてたけどバツが悪いのか相手は新聞を広げて顔を隠した。 この知人 先月もこの床屋に入ると自分の手前の順番に並んでいて待つ間に世間話をしたものだ。
この男の髪の毛はフサフサしてるけど白一色、自分のはスカスカで地肌の部分が広がってしまっている。 思うに床屋に来る間隔が同じだと云う事は 頭髪の伸びる速度はフサフサもスカスカも関係なく同じように伸びて行くみたいだ。