夜空には満天の星が浮かんでいる。
人類はまだ地球外生物とコンタクトしたことがないけれど、あれだけの星が浮かんでいるのだから、数多くの知的生命体がいるはずだ。この広い宇宙で人類だけが知的生命体のはずがない。
もし人類よりはるかに進んだ知的生命体が地球へやってきて、今の地球や人類を観察したら、どう思うのだろう?
たぶん、コンタクトするのはまだ早すぎると思うに違いない。友人付き合いできるようになるのはまだまだだと。
地球の人類は、この地球の主人のように我が物顔で振る舞っているけど、まだまだ成熟からはほど遠い。化学物質や放射能で地球を汚しまわったり、互いに核兵器を向け合ったり、つまらない我欲のために嘘をついたり、他人を利用しようとしたり、他人をおとしめたり。幼稚な振る舞いを数えれば切りがない。もちろん、やさしさもあるけど、自分がいちばん大切だと思っていることにはかわりないのだから、たかがしれている。もちろん、これは僕自身も含めてのこと。
それでも、いつの日にか、人類は宇宙へ旅立ち、未知の知的生命体に出会うのだろう。そうして、いろんなことを学ぶのだろう。異質なものと触れ合うことで、いままでとは考え方ががらりと変わるはずだ。おそらく、よい方向へ。欠点の多い人間でも、それくらいの強さは持ち合わせているはずだと、そう信じたい。
今度生まれ変わった時は、手軽に宇宙旅行できるようになっているといいな。バックパックを背負って満天の星々を旅してみたい。
(2012年2月28日発表)
この原稿は「小説家なろう」サイトで連載中のエッセイ『ゆっくりゆうやけ』において第158話として投稿しました。 『ゆっくりゆうやけ』のアドレスは以下の通りです。もしよければ、ほかの話もご覧ください。
http://ncode.syosetu.com/n8686m/