風になりたい

自作の小説とエッセイをアップしています。テーマは「個人」としてどう生きるか。純文学風の作品が好みです。

個性について(連載エッセイ『ゆっくりゆうやけ』第195話)

2013年10月09日 21時52分04秒 | 連載エッセイ『ゆっくりゆうやけ』

 個性の基盤となるのは、「俺にも個性があるが、お前にも個性があることを認める」という共通認識だ。言い換えれば、「俺にも譲れないものがある。だが、お前にも譲れないものがあるのはわかるよ」ということだ。
 個性はあくまでも独立し、そして、あくまでも屹立する。
 個性と個性がぶつかれば、争いが生じる。
 お互いに生き方が違うのだから、しかたのないことだ。
 ただ、それを単なる争い事や揉め事に終わらせるのか、よりよく生きるためのナイスゲームに変えるのかでは大きく違ってくる。単なる争い事や揉め事はなにも生まないが、ナイスゲームは人生になにかをもたらしてくれるから。相手を認めないことにはナイスゲームは始まらない。相手を認めない個性は、単なるわがままにすぎない。
 さて、個性と個性は本来、どこまでもパラレルで交わらない平行線であるものだが、それを互いに認めさせるものはなんだろう? 交わらない平行線を交わらせるものはなんだろう? 



(2012年8月11日発表)
 この原稿は「小説家なろう」サイトで連載中のエッセイ『ゆっくりゆうやけ』において第195話として投稿しました。 『ゆっくりゆうやけ』のアドレスは以下の通りです。もしよければ、ほかの話もご覧ください。
http://ncode.syosetu.com/n8686m/

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