冬の風が
ささやくよ
振り返るなと
手のひらから
こぼれるのは
熱の奪われた夢
それから
純情にみせかけた
狡賢い愛
欠けた虹を
埋め戻そうとしても
むださ
大人になるというのは
こういうことなのさ
センチメンタルは
捨てたほうがいいね
いくらそいつを
きれいに描いたところで
明日へ持っていくことは
できないのだから
憎むなら
どこまでも自分を
憎めばいい
情熱だけで
なんとかなると
思っている
不器用な望みを
もしも
自分を裏切れば
今すぐにでも
楽になる
それが嫌なら
詩の心を抱えてゆけ
木枯らしが
足にからみつく
愛は夢
夢は嘘
嘘は現実
重い鎖につながれた
さすらい人の唄
冬の風が
ささやくよ
お前は愚かだと