ほうき星に乗って
晴れた宇宙を滑ります
さわやかないい気分
宝石を散りばめたような星々
そのあいだをすり抜けながら
大きな虫取り網を振り回して
宇宙の風を捉えます
宇宙の風には
時間のかけらがまざっています
金平糖のような小さな粒です
虫取り網ですこしずつ
時間のかけらを集めます
花の香りに似た
甘い匂いが漂います
網の底にたまった
時間のかけらが
きらきらと輝きました
誰のものでもない
時間のかけら
独り占めにできない
時間のかけら
科学者は有限だといい
宗教家は無限だといいます
真実はどちらでしょうか?
僕はただ集めたいだけです
時間のかけらを部屋の壁に飾り
そのあたたかい光のなかで
昔の小説を読んだり
チェロを弾いたりしていると
気分がそっと安らぎます
ただそれだけです
今日も僕はいつものように
ほうき星に乗りながら
宇宙の風を捉えます
時間のかけらを集めます
明日も宇宙が
いいお天気でありますように
すこしずつでいいから
しあわせになれますように