銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

顔見世と料亭、という処方箋

2009年11月01日 | 見かけだおしNのつぶやき
―昼下がり一本の電話―
「あら、あなた、いたの」
「はい」
「実はね、楽しみにしていた南座の歌舞伎・・キャンセルしようかと思って・・・」
「あら、どうされました?」

80歳代でマンションにお一人住まいのお客様からお電話いただきました
内容は・・・
来月予定している「京都南座の顔見世」公演の仮予約を取消したい、とのこと
理由をお伺いすると、今、目の治療をしていて
手術の日が、来月になりそうだから、万が一公演日と重なっておたくに迷惑かけてはいけないと思って
と、そんなお話でした 

実はこの方、「銀のステッキ旅行」誕生に少なからず影響を及ばされた方、
もちろんご本人は預かり知らぬことですが・・・

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「このツアーに申し込みたいの、でも間際になってキャンセルするかも、それでもいい?」
こんな風にいつもおっしゃいます
「キャンセル料がかからない内でしたらかまいませんよ」
業務的な返答をする私
でもこうした会話を何度か繰り返すうちに
気づきました

キャンセル料の問題(お金)ではないのです

随分先のツアーに申し込み、カレンダーに記入
ただそれだけのことです、が
「その旅の日」までがわくわく楽しい日々になるのだそうです

・それまでは風邪などひかぬ
・行く先を地図でなぞってみる
・本屋でガイドブックを手に取る
・間際から、粗食にしてみる
・一週間前には早くも旅鞄の準備
服装は・・忘れ物は・・etc.
その過程がもうすでに旅の始まり

「ああ嬉しいな」
そう思いました

旅の予約をする――
今日からその日まで・・・
「元気になれる」そういうことでした

その上、さらに
この世代の方の特徴・・・周りに迷惑をかけたくない!
そういう方が多いです(よね?)
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「そんな訳で病院通いに家族のものに一日付き合ってもらっているから
まさか芝居を見にいくなんて、言えないのよ・・・・」

「いつまでも意地張らず娘さんに甘えた方がいいですよ、頼られた方が娘さんだって喜ばれますよ」と
勝手知らぬ家族間のことも
はい、お節介さんは知ったような口を利きます(笑)

「ところで今回の顔見世はちょっと贅沢に料亭でお食事でも・・と考えているんですよ」と私

「・・・・。それは、良い話ね、、、じゃあ、とりあえず席残しておいて、俄然元気が出てきたわ(笑)」

そうなんです
銀のステッキ旅行のテーマ「元気になる旅」
のヒントはこの方からいただきました

お申込みいただいたその日から、旅は始まる――
夢のある旅づくり、私たちの常なる課題ですね


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貸切バス・オーダメイド旅行のご相談は…
銀のステッキ旅行
TEL 0797-91-2260(平日8:30~17:00)
■公式ホームページ:http://www.gin-st.com
■銀ステ旅先案内人:http://ameblo.jp/arailuka
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ためいき坂 くちぶえ坂

2009年11月01日 | のほほん同志Aの日常
無人島に1冊だけ本を持っていけるとしたら…?

よくそんなことを夢想しながら本棚を眺めまわしますが、
1冊だけとなると、さすがに決められません。

でも、10冊持ってきていいよ、と言われれば(誰に?)
迷わずカバンに入れる本がこちら。

『ためいき坂 くちぶえ坂』

副題には、「松鶴と弟子たちのドガチャガ」 とあります。

著者は、笑福亭松枝(しょうし)さん。
故六代目、笑福亭松鶴の五番弟子です。

この本、絶版になっていると思われるのですが、
落語好きの友人から、そこに紹介される逸話をくり返し聞いていて
ぜひ読んでみたいと思っていました。
ある日、古本屋さんの片隅に見つけたときの嬉しかったこと…!

さっそく読んでみると、期待をはるかに超えるオモシロサ。
何といっても六代目松鶴という人のハチャメチャぶり、
そこに集う鶴光、福笑、鶴瓶といった弟子たちのドガチャガの、なんとまあ…。

一気に私を上方落語の世界に、
なかでもとりわけ個性豊かな、笑福亭一門の魅力にひきこんでくれた1冊です。

そして今日、
この本を読んでからいつか行きたいと思っていた
「ためいき坂 くちぶえ坂」 を訪ねてきます。

大阪の南、南海粉浜駅から笑福亭松鶴の自宅へとつづく坂道。
朝、稽古に通うときの上り坂は「ためいき坂」。
稽古から解放されて帰るときの下り坂は「くちぶえ坂」。

弟子たちがそう呼んだ坂道の先、松鶴の旧居はいま、
「無学」と呼ばれるこぢんまりとした寄席小屋になっています。
そこで今日、小さな落語会が開かれるのです。

神戸の人間にとって、大阪の難波より先というのは
東京よりも心理的距離が遠いところ。
南海電車に乗るのも、たぶん初めて。

ちょっとした小旅行、
カバンにはもちろん、「ためいき坂 くちぶえ坂」を入れていきます。


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