銀のステッキでは3年ぶりとなる英国ツアー。
公共のハイキングルートともいえる“フットパス”歩きを取り入れた前回は、
現地の地理に詳しいイングランドのガイドさんに案内してもらいましたが、
今回は観光中心ということで、ロンドン在住の日本人ガイド、
鈴木真紀さんに一週間にわたり行程をともにしていただきました。
まずはイングランド北部の湖水地方へ。
ここは『ピーターラビット』の絵本が生まれた地であり、
またイギリスを代表する自然詩人、ワーズワースが生まれ、
一生を過ごした地としても知られます。
(ビアトリクス・ポターが暮らした農場、ヒルトップ)
(大きなリンゴの木)
「私はロンドンに暮らして30年になるんですが、
イギリス暮らしは二つに分かれます。
殺風景な冬の3ヶ月に耐えられずに逃げ帰る人と、
夏が気に入って居つく人と。」
想像してみて下さい、と、木漏れ日を浴びて走るバスで鈴木さんのお話はこう続きます。
「今はまだ日も長く、木々は青々として、秋の花も咲いていますが、
これが11月に入ると、わずかな針葉樹を残して葉はすべて落ち、
太陽も8時すぎにようやく昇ってきたかと思えば、4時ごろにはもう真っ暗になる。
ロンドンのクリスマスは年々準備が早まっていて、
今は11月から1月まで3ヶ月、ずっとイルミネーションです。
そうでもしなければ、余りに暗くて寒くてやりきれないんですね。」
「でもそんな冬の気配が、2月に入ると変わるんです。
2月といえばまだ寒い。クリスマスも終わって色彩がなくなる。
でも、少しずつ日が長くなって、かれこれ2週間もすると、
グレーのなかにいっせいに黄色い水仙が咲くんですね」。
といって、ワーズワースの最も有名な詩、「水仙」を朗読してくれました。
谷また丘のうえ高く漂う雲のように
ひとり彷徨いいけば
ふと目の前に広がる一群の
黄金色に輝く水仙の花たち
湖のほとり、木立の下に
微風に翻りつつ、はた、踊りつつ (後略)
(やがてやってくる冬に備えて…)
湖水地方に3連泊したのち、列車にも乗りながらコッツウォルズ地方へ。
(ウィリアム・モリスが「最も美しい村」と讃えたバイブリー)
(宿泊した小さな町、チッピングカムデンの朝の散歩にて)
(葉っぱまで芸術のよう)
またコッツウォルズで訪ねたシェークスピアの街、
ストラットフォード・アポン・エイボンでは、こんな歴史を教えてくれました。
「シェークスピアが活躍した時代から遡ること50年ほど前に、
イングランドでは英国国教会が生まれました。
当時のヘンリー8世が跡継ぎを生まない妻を離婚しようとしたことから、
離婚を禁止しているカトリックから離脱して
国王をトップとする英国国教会を立ち上げたんですね。
それは同時に、教会財産を国家のものにすることでもありました。
そうして豊かになった国家財政で海軍を充実させていったイングランドは、
スペインの無敵艦隊を打ち破り、繁栄を極めていく。
そうしたなか、ロンドンでは娯楽や芸術が盛んになり、
当時もっとも人気を集めたのが観劇だったんです」。
――なるほど、シェークスピアの類稀な才能を大きく開花させたのは
時代であったということなんですね。
(メモも取らず、私のうろ覚えなので、間違っていたらごめんなさい!)
(シェークスピアの妻、アン・ハサウェイの生家)
そして最終日。
「皆さん、ここまで観光をなさってきたわけですが、
観光とは『光を観る』と書きます。
光とは、人がつくった文化や文明のことです。
そして私の仕事は、その光に、一見何でもない風景や見過ごしがちな事物に
スポットライトをあてることだと思っています」。
イングランドの田園風景とともに、
鈴木さんの心地よい声が記憶に残る9日間でした。
(おまけ)
あれこれに語らせたがる英国人。
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