皐月便りの入稿日にスタッフの一人が言いました。
「もうここに、コロナの話、わざわざいらないんじゃないですか?」
それは、屋外でキャンプを楽しむツアーの説明文のクダリ。
本人の言わんとすることもわかっていました。
でも、そのまま入稿しました。
さて、銀ステ今期最後の旅は、ご家族でお出かけいただいた、
ヨーロッパ、アルザス街道の旅で締めくくられました。
2日前に無事帰国されました。
関空からの添乗員の報告を受け、ホッ。
心底からの安堵の声が漏れました。
長い旅でした。
もちろん久しぶりの長距離、9日間という時間もですが、
違います。
本当に長かった。
この企画が出たのは4年前。
「友人から聞いて、行ってみたい」
“ドイツからフランスに抜けていく歴史街道、アルザスをいく”
ご家族の想いをのせて計画が進んだ頃に、始まるコロナ禍。
もちろんすぐさま計画は頓挫しました。
ですが。
お客様は、その旅費を銀のステッキに預けてくださいました。
当初は、
「さすがに一年も経てば…」そんな楽観視できる日々が確かにありました。
でもその一年後。
国内開催のオリンピックさえ危ぶまれ、まさかの鎖国時代に突入。
ご返金を促すこちらに、
「もう一年待ってみるわ」
そう、おっしゃいました。
あの時のお客様の気持ち、決断。
私には痛いほどわかります。
ここで返金を依頼すれば、銀ステさんは…
きっとそう思われたのでしょう。
一寸先をも見えぬコロナ禍、超ドピークの時でした。
そして大きな金額でした。
不要不急の旅行業に先はありませんでした。
でも。
さらにもう一年預けてくださいました。
そして3年目。
少しずつ海外への門戸が開かれ始めた頃、
事態は良くなるどころか、さらに悪くなっていきます。
戦争です。
円安です。
さすがにこの年のお伺いでは
「来年、来年、その時にダメなら諦めます」
そして慌てて付け足すように一言、
「こちらの体力への自信もどうなっているかわからないので」
いえ、本当は、
“うち(銀ステ)がどうなっているかわからないので”
お客様は何度飲み込まれたことでしょう。
4年かかりました。
でも、ついに夢を果たされました。
大きな大きな仕事を銀のステッキに託してくださいました。
最後まで信じてくださった。
「絶対、この旅行を催行させる」
あの日々に何度も咀嚼してきた言葉です。
どれほど励みになったことでしょう。
今日、事務所を訪ねてくださいました。
「色々ありがとうございました」
「家族みんなで旅に出られるなんて、こんな幸せなこと…」
「まだ3年パスポート使えるから、もう一回行けるかな」
「その時わたし、、、あらやだ90やわ」
ケラケラ笑っておられました。
ああ。
今日この笑顔を見て、ようやく長い旅が終わったことを確認しました。
わたしも今日で、正真正銘、コロナを終えたいと思います。
銀のステッキは、おかげさまで16年目をスタートさせました。
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