ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅          No2 Ward・・・・・33

2013-11-17 | 3章 デリー中央第一刑務所No2Ward

 昨夕使った食器と残ったティーを持って井戸のある水場へサンダーと行った。バラック内には水場はない。夕方6時施錠後、夕食に使った食器は朝のティーの後洗うことになっている。ぼくらが日常生活でやらなければならない仕事は
 朝のティーの受取り、食器洗い
 昼食の受取り、食器洗い
 午後のティーの受取り、夕食の受取り
当番は決まっているようだがぼくはまだやった事がない。たぶん食事の受取りのとき食事の量や質を誤魔化されるからだろう。
 食事は大鍋に入れられリヤカーで運ばれてくる。昼はサブジ、ダルと主食のライス、チャパティーそれにアフリカフード、アタがある。それをグループ毎に分配しなければならない。どのグループは何名で何が必要か大体でも頭に入っていなければ出来ない仕事だ。古参のアフリカンがそれをやる、エマがやる事が多い。サブジの野菜もダルスープのダル豆も底に沈んでいる。食事を受取りにいくのはどのグループもちょっとうるさい奴だ。大人しくしているとスープの上澄みに野菜を少しだけで誤魔化される。ショッカンは食事をめぐってエマと度々口論していた。エマも職権で量と美味しい物は確保しておかなければならない。
 ダニエルはどうしょうもないな。お金もないのだから皆の手助けになるような事をやれば良いのにセコイ奴だ。自分のこと以外なにひとつやろうとしない。そして誰もいないとこっそり面会で差し入れられた食べ物をがつがつ食べているのを見た。サンダルを盗まれた奴は後で返すから15ルピー貸してくれないか、ぼくと2人きりになるのを見計らって頼んできた。ディクソンから奴には必要なお金は渡してある、貸さないでくれと言われていたから断った。奴には返せるお金なんてない、ポーランド大使館の面会がないのだから。嘘を言ってでも借りようとする、やはり塀の中の人間だな。どうも奴を好きになれない。アミーゴは我が儘だがまあ良い野郎だ。ディクソンも良い奴だし一応このグループのリーダーだ。人は良いが気の弱いところがある。
コメント
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