たすくの空中散歩

千葉県我孫子「石臼と麦」店主、相澤たすくの農作業や工作や
日々の一喜一憂を記録していきます。

雑草マルチ大作戦

2010年10月24日 20時58分53秒 | 一喜一憂

みなさんも今年の野菜の値段の高騰っぷりにさぞ驚かれているかと思いますが、なにしろ8月から9月の一ヶ月間ぐらい「全く」雨が降らない!という超異常気象っぷりでした。

なので、今年はどこの畑を見てもカラッカラの砂漠状態。
だったら水を撒けばいいじゃないか、と思うかもしれませんが、地面の下まで沁み渡るほどの水を撒くには、それこそスプリンクラーで撒きっぱなし、くらいしないと「雨」レベルの水撒きにはならなくて、すぐに日上がってしまうのです。

というわけで、この砂漠化した畑を見て、畑はどうして欲しいのかなーと考えて、まずはとにかく涼しくしてあげよう!と思い、ふと畑の横に目をやると、地主さんの刈り取った雑草がこんもり山積みされているではありませんか。
これは天からのお恵み!と思い、その乾いた大量の雑草を畑の表面に撒いて日傘にしてあげることにしました。

すると驚くべきことに、積んであった雑草をどけた下からは、しっとり湿った黒い地面が顔を出しました!
そして、そういう目で見てみると、雑草が生い茂り、朽ちた枯れ草などに自然に覆われた道端の地面は一カ月もの間雨が降っていないというのに、一日中土がきちんと湿度を保ち続けていたのでした。

さらに、早朝の畑に行ってみて野菜や雑草についた朝露の量の多さにびっくり!
実は自然界では、雨だけでなく、夜のうちに気温が下がることで降りる大量の露で、たっぷり水分補給をしていたのでした。

何としたことか、日照りだ、異常気象だ、と騒いでいるのは人間だけで、自然界には気象の変化をしっかり調整する機能がもともと備わっていたのです。

さらにさらに、枯れ草を畑の全面に施してから1、2週間。畑にたくさんの生き物たちが帰ってきました!
カエルにコオロギ、ダンゴムシにバッタにアリにムカデ、そして各種クモ達などなど、砂漠だった畑があっという間に生き物の宝庫に!
目に見える世界での変化は目に見えない世界での変化の表れ。
きっと微生物たちも大集合していることでしょう。

さて、このように畑の地表を何かで覆うことを「マルチング」と言って、土壌の水分保持、土温調整、雑草抑制、雨による作物への泥はね防止、などなど文字どおりマルチな機能があります。
覆いに使う物の種類には大きく分けて、枯れ草や稲わらなどの有機物や、ビニールシート状のものとの2種類がありますが、特に僕のような畑のやり方(不耕起、無肥料の栽培法については、また別でお話しします)では有機物マルチの方がさらに無限大に多機能になります。

そして、雑草マルチの威力がわかってからというもの、僕の畑では雑草も立派な作物になりました。
生えてきた雑草をブチブチと上から摘み取り、枯れ雑草の減ってきたところにばらまきます。
するとそこにまた生き物が集まってきて、やがて草も生き物も朽ちて肥料になり、そこにまた「いのち」が生まれるという永久運動、自然界の無限ループ。

農法を突き詰めれば突き詰めるほど、結局は自然のしくみをそのまま利用するのが、どんな農法よりも優れているという事実を確認するだけになります。

人間の技術もなかなかのものだと思いますが、地球が46億年かけて築き上げてきた技術にはとうてい及ばないのです。

今後もゆっくりいろいろ書いていきますのでお楽しみにー!



これが


こんな風になりました
これは施した直後


落ち着いてきて


朝焼けショット!



コメント (2)
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