
迦葉山には弥勒寺の廊下の下をくぐって登山道に入る。直ぐに急登となるが、半日陰の湿った場所に淡いピンク色で、殆ど白い色に見える花をつけたエンレイソウが咲いている。まだ枯れた林の中で、緑色が鮮やかな3枚の大きな葉に、2センチほどの可憐な花が一輪。可愛く見える。
「シロバナエンレイソウ」はユリ科エンレイソウ属の多年草。3枚のガク片(緑色)と白い花弁がバランスよく、全体を際立てている。エンレイソウの仲間は、花を開花するまでに長い時間を必要とするのだそうで10-15年を要する。そういえば、登山道脇で花をつけていない個体を良く見る。
シロバナのエンレイソウと紹介したが、画像では確認しにくいかもしれないが、この個体の花は、淡いピンク色をしていた。赤紫色の花をつける本種のエンレイソウや北海道などに多いオオバエンレイソウなどと“種間雑種”を形成することが良くあるとのこと。雑種なのだろう。
トキの島で花が濃い赤紫のエンレイソウはあちこちで見たが、シロバナタイプは群馬に来て、山歩きをするようになって出会った。エンレイソウは黒に近い濃い赤紫色の実をつける。これを子供の頃に食べたことがある。この実からトキの島ではエンレイソウを“クロンボウ”と呼んでいた。写真は雨に濡れたトキの島のエンレイソウ(4月上旬)
