
時間がありすぎると、消化するのに苦労する。一方で、余裕があると同じ行動を起こしていても新しい発見をすることもある。私共が一番好きな散歩コース、藤岡市北西部の「竹沼」。去年までは週末しか行けなかったが、今年は暇つぶしでいつでも散歩が可能。何回も行った同じ場所でカミさんが見つけたのが「フタリシズカ」だった。
早春に咲く可憐な花“ヒトリシズカ”は今月19日に掲載した。似ているようで、そうでもないこの花「フタリシズカ」。名前は両方とも源義経の愛人?で知られる静御前に由来している。ヒトリシズカが一本の花序(花が付く様子)なのに対し、フタリシズカは2本あるので“2人”と呼ぶものと思っていた。ところが、そんなに単純ではないようだ。
「フタリシズカ」はセンリョウ科チャラン属の多年草。花には花弁もガクも無く、3個のオシベが子房を抱いているのだという。2本の花序を伸ばす独特の展開をしている。茎の形や葉の形、やや湿り気の多い場所に咲くことなど、イメージが“ヒトリタイプ”に似ているように、分類的にも近い仲間。
2本の花序を「能楽の“二人舞”」の静御前とその亡霊が舞う姿に見立てて、この名が付いたのだという。なんだか、ロマンチックな植物に思えてきた。