京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

今月のお細工物

2007-11-15 14:57:26 | お細工物日記
いつもの事ながら・・・
忙しい合間を縫って「今日しかない!」とばかりに
昨日、お細工物のおけいこに行ってきました

先月教えていただいた「柿袋」
やっとひとつ完成したので・・・
手前は未完成の「富有柿」
裏地と口布がまだついていないので宿題です

先生はひとつのものを3~5個は作りなさいとおっしゃいます
何個か作るうちにコツがわかってくると・・・
なんでもそうですね・・・

お細工物のおけいこは、間接的にとても勉強になります

先生は「こだわりを持つこと」を常におっしゃいます
偽物はだめ、本物を使いなさいと。

使う生地ももちろんですが、
最後の仕上げの紐にいたるまで本物で。
レーヨンなどは絶対に使ってはいけない
高価だけれども絹の組みひもでなければ台無しになります


たとえば「柿」を作るにあたって・・

柿とヘタの布を選ぶとき、色だけでなく
布の柄が、松竹梅や鶴のような格のある柄では
庶民的な果物には似つかわしくない。

見えない裏地にしても同じで
見えないからこそ袋を開いたときにはっとするような
それでいて表の雰囲気を壊さない裏地をつけること。
袋を開いてみたら、桜の柄の裏地ではやっぱり・・ね。

作り方を教えていただきながら、
こんな事をとても厳しく教わります

でも、すべて
着物をコーディネートするとき
帯〆などの小物や八掛を選ぶとき
コートや羽織の裏地を選ぶとき
着物を着るときの心得みたいなものに通じる気がします

と、いう訳で私にとって
季節感やそのものの意味など
忘れていってしまいそうな、
「そんなことどうでもいい」で済まされていってしまいがちな
日本のこだわりや大切なことを
お細工物と一緒に教わっている貴重な時間です


コメント
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