京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

七五三のお着物

2009-07-16 16:45:43 | 仕事
先日、若いお母さんから七五三の三歳のお着物のご相談がありました。

お宮参りのお祝い着を三歳で着せたいのですが、どうすれば・・・
ということでした。

お客様に少し誤解があって、七歳も着られると思っていらっしゃったようで
そこまではさすがに無理ですが・・・大丈夫、着られます

三歳で着るには、少し手直しが必要です。
お袖が大名袖という開いた状態になっているので
普通のお袖のように、袖の丸みをつけて袖口を作り
腰揚げと肩揚げもします。


今回のお客様は、三歳で着せたあと、またお宮参り着に戻したいという
ご希望でしたので、お袖も、本格的に縫い直さず、お襦袢になる重ねも
すぐに戻せるように最小限で簡単にお直しをさせていただきました。



こんな感じになりました。
この上に、お客様は赤の絞りのお被布を選ばれ
とってもかわいらしいと思います

お宮参りだけでなく、こうしてまた使えるのは着物ならでは・・
最近では、こうして使えることをご存じない方も、おありかとご紹介してみました。




こちらは、お嬢様のお召になったお着物を、お孫さまに・・と
洗い張り、お仕立てをさせていただいたものです。




お客様に伺うと、お襦袢が見当たらないと・・・
よくあることです
さて・・新しく作るか・・既成のもので間に合わせるか・・
とご相談の結果、
三歳のことだし、そう何度も着せることはないし・・・
と、ちょっと「ズル」をすることにしました。

長じゅばんのお袖だけを縫って、着物のお袖に重ねて付けてもらいました。
ちゃんとお襦袢を着ている風に見えますよね。
下着を着せて、この上にお被布を着たら、OKです。




お袖部分を大きくしてみました。

古いものを、上手に使う時、こんなことを考えてもいいかと思います。

お袖だけつけるこの方法、アンティーク着物や、おばあちゃんのお着物
頂き物など
お袖丈がバラバラで合ってない時などにも有効です



さて、最近は、七五三を写真館のパックが楽で、経済的という理由で、
衣装、着付け、写真を(時にお参りまで)パックで簡単に済ませる方が
増えてきたのを感じます。
本当は、ご家庭それぞれで、お祝いの仕方があっていいのでは
と思います。
分からないから・・・簡単だから・・・
と、お祝い事が画一化されて、なんだか商業ベースに乗せられて
いるようで・・・、
これでいいのか日本人・・
と、少々感じる私は、古いのでしょうか・・・・・・・・

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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素敵ですね (かよこ)
2009-07-16 20:16:52
お宮参りの着物を七五三に着られないかと思いつかれただけでも素晴らしい!どうかしたら、また買えばいいや、借りればいいや、で終わっちゃいますよね。若いのに偉いなぁ。
実はうちの甥のお食い初めの祝い着は38年前に祖母が私の弟のために縫ったもの。残念ながらシミが落ちずにちょっとくすんでいたのですが、彼がそれを着たことで家族中がしあわせな気持ちにo(^-^)o
次は弟の七五三の着物を洗いに出さなくては、と楽しみにしてます。
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エコですよね! (おべべ)
2009-07-17 14:07:59
そう、お父さんの着た着物を息子さんに・・
いいですよね。
当時のお着物なら、物もしっかりしてオーソドックスなものだと思います。
そうして大事に代々譲っていくのって素敵ですよね。
かよこさんの七五三のお着物だって
素敵な帯になりましたものね!
親から作ってもらったものですから、思い出や親の思いと一緒に
大切にしていけるといいですね。

最近盛んにエコという言葉を聞くけれど
着物は日本に古くからあるエコの一つだとおもいま~す!
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