アートセラピー「心のお絵かき」の世界

アートセラピストで妻で母で女の、楽しく豊かでゆるい人生後半日記。

ロマンティック ロシア展

2019-01-18 11:29:19 | 美術・芸術
先日、ロマンティック ロシア という展覧会に行ってきました。

これは前から行ってみたかったのです。

国立トレチャコフ美術館の所蔵品展ということですが、このトレチャコフさんは、ロシア芸術家による
美術作品だけを収集し、ロシアの芸術家たちの支援も行っていたそうです。

よくぞ、これだけの素晴らしい作品を集めてくれました!トレチャコフさんありがとう!
といった感じです。

とにかく美しいの。

この帝政19世紀後半から20世紀初めあたりのロシア、ツァーリの時代のロシアは、
ヨーロッパの国々より、文化度も金持ち度も高かったのではないかと私は思います。

音楽ならチャイコフスキーやムソルグスキー、文学もトルストイとかドストエフスキーとかチェーホフなどが活躍しています。

音楽、絵画、文学、バレーなどの舞台・・・豪華絢爛な時代だったかと思います。

私は昔からチャイコフスキーが好きで、だからたぶん同じなんじゃないかなぁ・・・と思ってたんですが
やっぱり!

もうね、画面から、スラブの大地からただよう草いきれの香りがむうっと立ち上ってくる感じなの。

ほんと、大自然への強い深い愛が全ての絵の根底にあって、だからただの写実ではないの。

まるで大自然を敬い語りかけるような絵ばかりで、美しすぎて泣きそうでした。



人物画も良かったですよ~。

特に、私は女性と子どもの描写が気に入りました。

子どもたちが夢中になって何かをしている絵が多いのですが、子どもが黙って夢中で遊んでいる時、
空を見つめて考え事をしている時ほど幸せな時間って無いんじゃないかしら?

そういう子どもたちを描いた絵を見ていると、そういう至福の時間がまざまざと思い出され、
絵の前から立ち去りがたい気分になりました。

画家は、そういう子どもたちの幸せな時間について良く知っていたんだね。

すごい愛情を感じます。



そういえば、あのポスターになってる黒衣の女の人の絵ね、来日2度目ということで
「またお会いできますね」
とポスターには書いてありましたけど、実際あの絵の前に立つと、あの人
「さようなら。もう2度とお会いすることはありませんわ。」

って言ってるみたいに見えましたわ。ほほほ。


ムンク展2 ああ恋愛

2019-01-10 17:11:04 | 美術・芸術
ムンクの絵は、病気や死への不安と同じくらい「恋愛」をテーマにしたものは多いです。

たぶん、芸術家だし、しかもああいう精神状態の人でしたから、恋愛中毒だったんじゃないかと
考えるわけです・・・。

病気や死への不安から逃げるために、恋愛しないではいられなかったみたいな感じ。

接吻する恋人たち、抱き合い絡み合う恋人たちは、殆ど境界線を無くして一つの塊のようです。

そんなに激しく愛し合っていたのか・・・。

私の好きな「吸血鬼」だって、女性は男性に覆いかぶさり、接吻していると言うより、
まさに血を吸っているようです。

かぷっ という音まで聞こえそう。

女に生き血をすすられて、男は弱っていくのだという例えなのかもしれませんが。

(だからアタシは、この絵が好きなのかしら?)

この吸血鬼シリーズでも、やはり男と女の輪郭線は溶け合い、一つの塊に見えます。

ムンクの恋愛は、みんなこんなに激しいものだったのかしらね。

ここでつくづく残念だったのは、私が今もう激しい恋愛をしてないどころか、その記憶すら消滅しかけていて
「へー、恋愛ってこんなだったっけ?」
と、冷めた目でしか作品を見られなくなっていたことです。

ああ、ほんとに残念だわ。

同じように、恋のメランコリーに沈む人物画を見ても
「恋って、こんなに憂鬱なもんだったっけ??」
と、今ひとつ共感できずに、したがって心に食い込まずに淡々と眺めてしまうのでした。

もっと若くて、恋愛進行形あるいは恋愛の記憶が生々しい頃だったら、もっとハゲシク、
まさに作品と自分の境界線が消えるかのように見られたかもしれません。

ああっ!ほんとに残念だわ!

ムンク展 血の表現

2019-01-09 11:13:55 | 美術・芸術
ムンク展に行ってきました。

初来日の「叫び」が来るというので大きく報道されているし、最近東京の美術館は混んでるので、
なんとか空いているタイミングでと考え、昨年の年末の昼時に決行。



読みは当たり、スムーズに鑑賞できました。

ムンクの「叫び」は他にも4点ほどあり、以前にも他の「叫び」を見たことがあったので、
そんなに大騒ぎするようなことかしら?と思いながら見てみたら・・・うっっ、これはすごい!

なにかこう、今まで見た他のどの「叫び」よりも生々しい血みたいなものを感じました。

ムンクはこの時、死ぬほど疲れて橋の欄干にもたれかかっていたんですけど、まさに今にも死んじゃいそうな感じ、
不吉な血をイメージさせる背景なのでした。

圧巻だわ・・・でもこれがケータイの絵文字になっちゃうって・・・軽・・・うーむむ。

過去にもムンク展は何度か見ましたが、今回は特に「血」を感じました。

事故(怪我)の血、女性の血、そして吸血鬼(ほんとは接吻しているんだけど、女性が男性の首や後頭部あたりに
かみついて生き血をすすっているように見えます。余談ですが、私はこの吸血鬼シリーズが大好き。今回油彩と木版画等
たくさんまとまって見られて嬉しかったです! しかも、木版画の版木まで展示されていて超感激!!)

血は死に直結し、死への恐怖、不安、そして生きる事への憂鬱が繰り広げられていきます。

ん-、そんなに生きることは辛かったか。

ムンクにとって、生きる日々とは死の恐怖と戦う憂鬱な日々だったのかな。

だとしたら、その圧倒的な感情を絵という形で表現できた彼は幸せ者。

そうでなければ、何かしらの中毒で、病死や自殺してしまったかもしれませんよね。

さよなら マリー・ローランサン美術館

2019-01-07 15:43:54 | 美術・芸術
2017年7月に、東京のホテルニューオータニのガーデンコート内にオープンしたマリー・ローランサン美術館。

まぁ! すてき! 是非行ってみたいわ! そんで見た後はオサレなレストランでお食事してみたいわ!

なあんて考えてのんびりしていましたら、なんとこの1月14日に閉館してしまうと新聞で知りました。

焦ったのなんの!

大慌てで年明けの1月5日に行ってまいりました。



大き過ぎず小さ過ぎない、丁度良いおおきさの居心地の良い部屋が3つあり、ローランサンの作品が
ほぼ年代順に並んでいます。

非常に近い距離から、しかも額縁のガラスも無しに見られる作品もあり、しかも監視員が睨んでいるわけでも無く
ゆったりと絵画と向き合うことができたのが、非常にうれしかったです。

私設の小さな美術館ですが、想像以上の素晴らしい作品がぎっしりと並んでいます。

ローランサンは有名な画家ではありますが、こんなにまとまって鑑賞したことはないし、
ローランサンだけの展覧会って記憶に無いなあ・・・。

初期の作品は、鋭角的な女性の輪郭やくすんだピンクやグレーが印象的で、私はけっこう好きです。

次第に、よく知られる、明るい色彩のふっくらした可愛らしい少女や女性像に変化していきますが、
これもまた、眺めていると幸せな気分になってまいります。



閉館してしまう時なのに、土曜日の昼なのに、訪れる人もまばらでした・・・。

閉館してしまうなんて、本当に残念です

クリアファイルはいっぱい持ってるんだけど、綺麗だったので、やはりついつい買ってしましました




葉山美術館

2019-01-03 16:22:16 | 美術・芸術
気軽に「葉山美術館」なんて言ってますが、正しくは「神奈川県立近代美術館葉山」です。

神奈川県立近代美術館の葉山館ってことですね。

こちらの「堀内正和展」へ昨年末に行ってまいりました。

楽しい形がいっぱいでしたよ~。

形の意味とかあまり難しい事考えないで、「あ、この形おもしろーい!」とか
「あれ、この形どっかで見たことあるー!」とか
「この形ってどうやってつくるのかしらん??」などというノリで見るのが良いと思います。



立体の展覧会は、好きな作品を好きな順番で見られるというように、絵画などの平面の展覧会よりも自由度が高い気がします。

都内からではちょっと遠いこともあってか、また平日ということもあってか、人もまばらで
館内は、楽しい公園みたいです。

ただ、作品に触れることは禁止なので、小さいお子さんを連れて行くと、ちょっと大変かもしれません。

つい触りたくなるような、面白くて魅力的な形がたくさん並んでいるので・・・。

さて、こちらの美術館の大きな魅力は、そのロケーションでしょう。

葉山の美しい海岸をすぐ目の前に見ることができます。
(左手は御用邸です。なので、海岸はたいへん美しいです)



私は鎌倉の七里ヶ浜という所で育ちまして、そこの海は波がけっこうあり、つまり波音も風の音も強かったので、
葉山の海のあまりの静かさ穏やかさに驚いてしまいました。



うーん、いいなぁ。

また、美術館を囲むように多数のオブジェがあって、それを眺めながら散策するのもとても楽しいひとときです。