アートセラピー「心のお絵かき」の世界

アートセラピストで妻で母で女の、楽しく豊かでゆるい人生後半日記。

ルノアールとシスレー

2018-02-24 13:34:16 | 美術・芸術
先日行ったビュールレ・コレクションの展覧会の中心は、印象派の作品群でした。

優れた作品を残した印象派の画家達は数多くいますが、その中でも特に
ルノアールとシスレーが大好きです。

理由は簡単です。

絵の前に立った瞬間、心の中が明るく穏やかになり、平和で幸せな気分でいっぱいになるからです。

難しいことは何もありません。

見ているだけで自然に微笑みがこぼれてくる・・・それがルノアールとシスレーの絵なのです。

心がきゅうきゅうだったりガサガサだったりした時、シスレーの絵の前で思わず
「はぁ~~」
っと大きく息をつき、穏やかな心を取り戻せたことが何度もあります。

ルノアールもそうです。

「なんてきれいなんだろう!」「なんて可愛いんだろう!」
単純にそう思うだけで、私の心は元気になりました。

そういうわけで、この二人の作品が大好きなのですが、「ビュールレ・コレクション」の中に、
なんとルノアールがシスレーを描いた肖像画があったのです。

キャプションを読むと、二人は仲が良かったそうです。

ルノアールは、シスレーの顔をとても優しい表情に描いているの。

「ああ、本当に仲が良かったんだなあ」と思いました。

それを見て、なんか嬉しかったのです。

私がルノアールとシスレーが好きなことが、なんかこう、辻褄が合ったというか繋がったというか。

自分の感性が間違っていなかったというか、なんかそんな気がしてとても嬉しくなりました。

ビュールレ・コレクション

2018-02-23 17:03:15 | 美術・芸術
お久しぶりでございます。

寒い冬でしたね~。

昨日も寒かったのですが、国立新美術館に「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」を
見に行ってきました。

とにかく、あのルノアールの「可愛いイレーヌ」が見たくて。

びっくりしたのは、入場するとき、そのイレーヌちゃんの白黒ポストカードをプレゼント
されたことです。

こんなことは初めてで、もう感激~!

枚数無制限というわけではなく、先着何千人という感じなのかもしれませんね。



まだ会期が始まったばかりのせいか、また昨日は天気が悪くて寒かったせいか、
比較的空いていて、一つ一つの作品をゆっくり見ることができました。

で、そのたびに、このコレクションを集めたエミール・ビュールレさんに感謝しちゃいました。

「いや~、よくぞこの絵を買ってくれましたね!」と。

私とエミールさんの好みがとても合ってたんだと思います。

その中でも、やはりダントツが、ルノアールの「可愛いイレーヌ」(「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢の肖像」)
でした。

なんて可愛いの! 見ても見ても飽きません。西洋絵画史上、最強の美少女ではないかしら。

キャプションを読んで初めて知ったのですが、モデルとなったイレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢は
8才なのですって。

私は12~15才くらいかと思っていました。

おすましして、ちょっと大人っぽく見えますね。

一日中でも絵の前にいたい。そんな絵でした。ホントに幸せな気分になりました。


「キンダーブックの90年」展

2018-01-11 16:31:14 | 美術・芸術
今日は、TOPPAN 小石川ビル内にある印刷博物館で開催中の「キンダーブックの90年」という展覧会を
見てきました。



飯田橋から歩いて10分くらい。お散歩にはちょうど良い距離です。

幼児向けの質の高い絵本を、90年も出版し続けるなんて、もはや偉業といって良いと思います。

キンダーブックには「観察絵本」という冠がついていたと、今日初めて知りました。

したがって、どの時代の絵本の絵を見ても、農作業、乗りもの、動物、年中行事等、絵はすばらしく丁寧で、正確です。

しかも、丁寧で正確というだけでなく、なんともいえず優しくて暖かいのです。

絵に添えてある文章も、美しい日本語で、まるで詩や歌のように軽やかです。

日本は、子供を大切にする国だってすごく感じました・・・。

もう、内容なんてすっかり忘れてしまっているけれど、幼稚園で配られるキンダーブックを楽しみにしていて、
家に帰ると、何度も何度も眺めていたことは思い出せます。

小さいときに、こういう美しい絵や言葉を与えられるというのは、心に宝物を与えられるのと同じだと思います。

両親にも、キンダーブックに関わってくれた大人の人達にも感謝しなくちゃね。

たとえ、どんな絵本か忘れてしまっても、キンダーブックなんて雑誌を読んだことも忘れてしまっても、
幼い頃に心に入った美しいものは、ずっと消えないで、身体の奥、心の奥でひっそりと輝き続けて、
その人の心をそっと支えてくれていると信じたいものです。

50年以上も前に夢中になって眺めた絵本を、50年以上たった今も、同じように夢中になって
眺めることができる、すてきな展覧会でしたよ。


熊谷守一展

2018-01-06 15:45:29 | 美術・芸術
皆さま、あけましておめでとうございます。

いまだ体調不安定な時があり、なかなか続けて更新できなかったりの日々ですが、
のんびり続けていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、今年初めての展覧会は、国立近代美術館の熊谷守一展でした。

正月あけの4日に行ったのですが、昨年行った、ゴッホだの北斎だのの上野の美術館の混雑ぶりに比べると
空いていて、落ち着いて見ることができました。

ここは、最初から最後までワンフロアで見ることが出来るので、体力的にも楽ですね。

で、そのワンフロアのたくさんの部屋に、年代順に並んだ守一の作品がびっしり並んでいるのです。

とにかく展示作品数が多いの。

ファンにはたまらないでしょうね。

そして、刻々と変化していく熊谷の画風について詳細な解説がついていて、とてもわかりやすいのです。

学芸員さんの研究努力に、心の中で拍手いたしました。

守一の描く動物さんたち、牛、山羊、馬・・・は可愛いですね。(はて、犬は無かったような?)

猫の作品は一際多くて、守一は猫が好きだったんだにゃあ、とわかります。

どれも力が抜けて、それでいて生きることを心から楽しんでいるみたいで、見ていてとっても癒やされます。


ブラティスラヴァ世界絵本原画展

2017-08-23 11:52:47 | 美術・芸術
平塚市美術館で現在開催中の「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」に行ってきました。

夏休みということもあり、子どもたちもたくさん来ていて、静かに絵本を読んだり、その原画を見たりと
とても良い空間になっていました。

原画はどれもすばらしく、単に絵本の挿絵というより、一枚一枚が完成された美術品です。



わかりやすい形と色で、シンプルにダイナミックに描かれた作品もあれば、細かくていっぱい描いてあって
、長い時間見つめて楽しめる絵もあります。

どっちの絵も楽しいよね。

子ども時代に美しい絵本を眺めることが、その子にとって、どれほどの宝になるだろう・・・と思います。

興味深かったのは、子どもたちが人気投票した結果です。

きれいで可愛らしい絵や絵本は、もちろん人気があるのですが、それと同じくらい人気が高かったのは「不思議で
不気味でちょっと怖い」絵と絵本だったことです。

おお、そうだったのか・・・子どもたちって、お化けや妖怪や不思議で怖い世界が大好きなんだね・・・なんかわかるわ。