ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

『橋下徹の政権奪取』 - 2 ( 官僚組織の功罪両面について )

2018-05-20 18:14:51 | 徒然の記

 橋本氏が、個人的に親しくしている政治家が、三人います。

 元宮崎県知事の東国原英夫氏と、元横浜市長の中田宏氏と、元杉並区長だった山田宏氏です。先ず、東国原氏とのつき合いについて、本から紹介します。

  ・東国原知事と橋本知事は、多い時で月一回、少ない時でも、二ヶ月の頻度で、食事をしながら意見交換していた。

  ・橋本が宮崎へ視察に訪れたこともあれば、東国原が大阪府に、表敬訪問したこともある。

  ・二人が食事をする時は、だいたい酒を飲みながら話をする。とりあえずビールから入って、東国原が昔から好みの芋焼酎を飲めば、橋本も合わせて、芋焼酎を飲む。ハイボールや、梅酒のソーダ割りを注文することもある。

  ・財政規模や行政課題など置かれた立場に違いはあれど、都道府県知事として抱える、共通の課題がある。地方自治体の部局は国の省庁の下部組織だから、農政は農政、総務は総務、土木は土木といった具合に、良くも悪くも、縦割り行政になっている。

  ・議会運営においても、橋本は自民党議員団が応援していたものの、無所属だから、東国原と同じような立ち位置だった。

  ・東国原も橋本も、忌憚のない意見や、自らの悩みを互いにぶつけていた。議会の体制派との論争、中央集権と、地方分権との戦いなど、忸怩たる思いを何度もしてきた。

 東国原氏にしても、橋本氏についても、タレントとしての印象が強いため、どうしても軽く見てしまいます。しかし氏の説明を読んでいますと、政治家としての真剣な姿も知らされます。

 次に、元横浜市長の中田宏氏との、つながりについて紹介します。

  ・中田宏が橋下と深く関わるようになったのは、平成20年1月のことである。橋下が、大阪府知事になった時で、中田はこの時横浜市長2期目であった。

  ・当時大阪府は5兆円の負債を抱え、財政再建は、横浜市で中田が市長として取り組んでいた。

 二人は彼らの政策を遂行する上で、最大の障害となっている官僚組織に関し、意見が一致しました。二人の対談がありますので、抜粋して紹介します。

  [  橋 下  ]

 ・今の議院内閣制は、明治以来の官僚が作り上げた官僚内閣制だ。

 ・政治がどうなろうが、公務員組織だけは安泰というこの仕組みを、抜本的に変えないといけない。

 ・僕は外部から人材を登用しようとしたが、ものすごい抵抗をされた。1年、4ヶ月かかった。」

  [  中 田  ]

 ・国も地方も、縦割りがあるが、 性格が違う。霞が関の縦割は、野球で例えると、レフトとセンターが中間に落ちるボールを、それぞれが取りに行ってぶつかる。省庁の権益を、どうやって広げるかというもの。」

    ・地方の縦割は、センターとレフトが互いに譲り合い、この仕事は俺じゃないというもの。

 ・共通しているのは、先輩の作ったシステムを絶対ひっくり返さないこと。

 公務員は、何をやっても責任を追及されず、定年まで仕事ができ退職金を貰える。十年以上配置転換のない者もいて、仕事への緊張感が無い。議員は選挙で審判を受けるから必死になるが、身分保障のされた公務員は新しいことをやる気が無い。

 橋下氏と田中氏は、官僚をやる気にさせるための知恵を共有しようと、意気投合します。バブル時代以降の官僚と言いますか、公務員と言うのか、確かに私たちから見れば酷い話がありました。

 リストラで苦しむ民間人を横目に、いい気な仕事ぶりが目立った時がありました。

 しかし一方的に貶しますと、やがてそれは私の嫌悪する極論になります。世間では、改革といえば全てが前向きで、正しいことのように受け止め、マスコミもそのような報道の仕方をします。

 改革する者は正義で、反対する者は悪だと、そんな小泉式構図が広められますが、私たちはここで考えなくてはいけません。

 昔からの制度や、受け継がれてきた習慣などを破壊することが、すべて正義であり、善なのかと、立ち止まって考える必要があります。官僚の保守的な思考や勤務態度が、常に社会の発展を阻害していると、簡単に決めつけてはなるまいと思います。

  もしも官僚が、制度や伝統をおろそかにし、時の政治家の言うままになっていたら、それはそれで大変なことになります。卑近な例でいいますと、反日の民主党の政権時、政治家に官僚が唯々諾々としていたら、日本は、今頃中国と韓国・北朝鮮の属国みたいになっていたはずです。

 民主党の政治家たちは、中国、韓国、北朝鮮系の在日を、秘書や顧問という肩書きで政権内に入れ、国の機密事項を触らせました。面従腹背し、国の危機を外らせ、国益を守ったのは、官僚であったことを忘れてはいけません。

 文科省の次官だった前川喜平氏も、安倍総理にだけ面従腹背せず、反日の民主党にそうしていたら、素晴らしい官僚として名を残せたはずです。氏がやったのは、逆の行為でしたから、「ねこ庭」は密かに氏のことを、官僚組織の中の腐ったリンゴと呼ぶことにしています。

 橋下氏と中田氏が語っている官僚批判は、事実の一面であり、全てではありません。官僚が安心して仕事ができるようにし、日本の伝統や歴史が破壊されないようにするため、公務員の身分保障は必要なのです。

 政・官・財が癒着し、国民から集めた税金を浪費し、私腹を肥やす事件がありましたから、手放しで褒められる官僚組織ではありませんが、二人の話を聞き、素晴らしいと早合点することは危険です。

 話が飛びますが、憲法を無視され、退位の情報をNHKにリークされた陛下のことを、ここでも「ねこ庭」は思い出します。

 宮内庁の官僚は現在、主流が外務省からの出身者で占められています。橋本、田中両氏の意見に従えば、宮内庁の官僚は改革の先頭に立つ正義の役人たちです。一連の陛下のご行為が、憲法の規定に反していることをお諌めせず、皇室の歴史と伝統を破壊される陛下に、諾として従いました。

 宮内庁にいる外務省からの出身官僚は、 「ねこ庭」に言わせて貰えば、日本の歴史と伝統を破壊する官僚組織の中の腐ったリンゴです。

 話が宮内庁にまで及びましたため、橋下氏と親しいもう一人の政治家を、紹介するスペースがなくなってしまいました。山田宏氏につきましては、次回のブログとします。

コメント (2)
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